第39話パン屋とケーキ屋の両立の課題 

孝太と真奈のパン作りは、順調に進み、最後の「焼き」段階に入った。

食欲をそそる匂いが、パン屋中に漂っている。


孝太は慎重。

「食べて見ないとわからない」

真奈は笑顔。

「大丈夫、お腹が鳴っている、父さんの時と同じ」

孝太

「試食は、祥子に頼んである」

真奈は頷く。

「隣の店に一緒に持って行こうよ」

孝太は少し笑う。

「それも懐かしい、パンの配達か」

真奈は話題を変えた。

「ところで、ケーキのイベントのプランはあるの?」

孝太は即答。

「ああ・・・それは、既に浮かんでいる」

「ケーキのほうは、あまり困らない」

真奈は少し笑う。

「パン屋とケーキ屋と両立できればいいのにね」

孝太は、苦笑い。

「店にもスペースがないかな」

真奈は頷く。

「それは・・・そうか」

「改装が必要になるね」


兄と妹でそんな話をしていると、祥子が入って来た。

祥子は、鼻をクンクン。

「うん、いい臭い」

「おなかが減る匂い」と言って笑う。

孝太

「焼けたら、真奈と一緒に届けようかと」

真奈

「コッペパンと食パン、フランスパンにしたよ」

祥子は笑顔。

「わかりました、一緒に運ぼう」

「既に試食メンバーは招待済み」

そして、孝太の顔をじっと見る。

「ねえ、孝太君、相談があるの」

「うちの父さんにも了解を取った、是非、そうして欲しいって」

孝太は、「相談」の意味がわからず、祥子の次の言葉を待っている。

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