第22話柿崎孝太は田中祥子の店で試作用のコッペパン試作の材料を買う。

柿崎孝太が実家のパン屋に帰ると、田中祥子が店の前で待っていた。

田中祥子

「孝太君、昨日ね、あの後、店のお客さんと孝太君の話題になったの」

「と言っても、みんな近所の商店街の人」


柿崎孝太は困惑

「あまり言わないで欲しいな」


田中祥子は、孝太の困惑に構わず、続けた。

「孝太君がパンを焼く、とか焼きたいと思っているって話に進んで」


柿崎孝太

「・・・うん・・・」


田中祥子は笑顔

「みんな、大歓迎よ」

「超一流パティシエが焼くパンが食べたいってね」


柿崎孝太は、ただ苦笑するのみ


田中祥子は柿崎孝太の顔をじっと見た。

「・・・で・・・焼くの?」


柿崎孝太は、しっかりと頷く。

「試作品を焼く」

「とりあえず、スーパーで材料を買って来る」


田中祥子は、また笑顔

「何を買って来るの?」


柿崎孝太

「普通のコッペパンだから」

「小麦粉、塩、砂糖、バター、ミルク、バター、イースト菌」


田中祥子は含み笑い。

「全部、私の家で売っているよ」


柿崎孝太は頷いて、そのまま隣の田中祥子の店でコッペパンの材料を買い、コッペパン焼きの作業に入った。

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