2.望・聞・問・切
ガラガラと襖が開けられ、中に招き入れられる。
医療機器があるわけではない。
一体、どのような診察をされるのだろうか。
「プリーズ、シットダウーン」
「あ、はい」
座布団に腰を下ろす。
白院はちゃぶ台を部屋の隅に運ぶと、
そして
ひと通り見たのち、白院は頷いて口を開く。
「ディスイズ! 【
白院はまた顔を近づけ、今度は片耳を
その姿勢のまま、またもハイテンションな声を発する。
「ディスイズ! 【
「……あー、いー、うー、えー、おー?」
「ちょーっと声掠れてるネー! 声の艶を聞くのも“聞診”デース!」
白院は、毛筆で何やらメモを書いた後、姿勢を正して正座をし、真っ直ぐに
「ディスイズ! 【
「あ、はい……」
問診、これは現代医療でも行われている事だ。それと同じく、病状、既往歴・家族歴を聞き取ることで、どんな病気が隠れているかの手掛かりを得る方法らしい。
そして、最後に。
「ディスイズ! 【
今度は、腹部、首元、そして手首を順番に、軽く押さえるように触れられていく。触診と同じようなものだろう。
「脈はちょっと速いけど異常無いねー! ハイ、いよいよドッキドキの診断デース!!」
白院も、ねずみの医師ハールヤと同じく、こうして身体に触れることで病状が分かるらしい。
「パンパカパーン! ミオーン! 血と
「血と、氣……ですか」
「イェース! 無駄な
健康診断のように数値では教えてもらえないが、体に触れるだけでこれだけの事が分かってしまうことを、飛田は素直に凄いと思った。
あるいは、何かしらの魔法や
何にせよ、今の
せっかく、一度は健康を取り戻せたのに、己の心の弱さにより、元の木阿弥だ。胆石症が再発しなかったことだけは、不幸中の幸いだ。
「【
立ち上がり、右腕を高々と挙げながら声を響かせる白院。
何やら、また新しい健康法を教えてもらえそうだ。
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