〜STAGE6.もう1人の飛田優志!? 迷い込んだ並行世界(パラレルワールド)から脱出せよ!〜
1.ファンキー和尚、白院
※主人公、『
勇者ミオン——
僧侶であり医者でもある
チャイ大陸にて、パーティーメンバーの足を引っ張ってばかりだった
もっと強く逞しくなってラデクを見返そうと思った矢先、飲めば最強になれるという“仙丹”があるとの情報を得る。
ついに“仙丹”を見つけ出し、飲んだ結果、念願の強靭な肉体と無敵の戦闘力を手に入れることができた。
しかし強くなれたのをいいことに、堕落した生活を送っていた
挙げ句の果てに、“仙丹”の効力はあっけなく消失。
残ったのは、贅肉まみれの身体と己の弱き心だった。
その後、ラデク、サラーと再会、オロチを撃退したのち和解。
そこで、何やら場違いなほどに陽気な僧侶——
「ミオン様、大丈夫?」
「女の子の方もー、心配ねー」
「大丈夫……です。私は大したことありません……。それよりメイメイさんを先に診せてあげてください……」
同乗しているラデクとサラーは、
しかし、オロチにずっと咥えられていたメイメイは、いまだに気を失っている。
「オフコース! レディーファーストだぜい! その
白院のテンションは、一日中こんな感じなのだろうか。体調不良の
そうこうしているうちに、ヘリコプターは、“ファンファン”の広場に着陸。
「マイハウスイズ! こっちこっちー!」
小走りの白院に何とかついて行くと、木々が生い茂る庭園が見えてきた。
石造りの塀に囲まれた建物。
門扉をくぐればそこは、日本式の寺院のような場所だった。
鈍色の屋根瓦は、長らく別世界にいた
右手に広がる枯山水を通り、2階建ての母屋の玄関へと案内された。
「レディーファーストだぜ! カモン、メイメイ!」
「あー、私が連れてけばいいのねー」
サラーはメイメイを背負ったまま、白院の後をついて行った。
「……静かですね。ここにいるだけで、心癒されます……」
「
掛け時計の振り子がカチカチ。
庭から響く鳥の声。
庭の方を見れば、音もなく射し込む陽射し。
ほんのりと香る、畳の匂い。
そして時折壁越しに聞こえてくる、白院の「ワァーオ!」「オーイエーイ!」などという声。
10分ほどのち、襖が開く。
すっかり顔色が良くなったメイメイが、広間に入ってきた。
すぐに、サラーも戻ってきた。
「メイメイさん……良かったです! もう大丈夫ですか……?」
「あらァ、ミオン様も来てたのねェ。あなたがオロチから助けてくれたの? 素敵。ありがとねェ」
「いえ、私ではなく……そこのラデクくんと、サラーさんが助けたんですよ。それに……こんな情けない姿になってしまい、恥ずかしいです」
サラーはニッコリと笑いながら
「でもー、オロチの口から落とされたメイメイちゃんを受け止めたのは、ミオン様よおー」
「うふ、やっぱり素敵ねェ」
メイメイに擦り寄られる。
ラデクが「あまりミオン様に寄るな!」というような視線をメイメイに飛ばした。
「でも、こんな情けない姿では……」
「まだ間に合うわァ。ダイエットと筋トレをして、見た目も素敵な男になってねェ」
「が……頑張ります!」
話していたら、襖がガラリと勢いよく開いた。
見れば、顎ピースを決めている白院の姿。
「カモーン! ミオン!」
「あ……私ですか」
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