4.剣と拳のコンビネーション
巨大ナマズ——ヴァンニー・ヴァンヴァニディーロは、
「癒月さん、あの敵が船から離れるよう、誘導してくれませんか?」
「これ以上は難しいわ……」
ヴァンニー・ヴァンヴァニディーロは再びのそのそと陸に上がり、大きなヒレを振り上げた。
気を抜いていた
「うげ……!? ぐわああー!!」
「ゴマくんっ!」
「ゴマ!」
「ゴマァー!」
「3人とも、行くな! 危険だ!」
大きな影が、上空に迫る。ヴァンニー・ヴァンヴァニディーロがまたも、巨体を持ち上げたのだ。
そして新幹線よりも速いと思えるほどのスピードで、その巨体を地面に叩きつけた。
「「うわあ!!」」
「んなー!!」
嵐のように凄まじい土煙が、
どうにか体を起こし、視界が晴れるのを待った。目を凝らすと、黒い巨体の周りで、
「皆さん……だ、大丈夫ですか!」
「俺は何とか。何なんだ、このナマズの化け物め……」
「あ、あれ? ゴマは!?」
黒い巨体は、再びゆっくりと体を持ち上げていく。
「「ゴマ!!」」
だが。
「いってえー」
むくりと起き上がった
「ゴマくん! 大丈夫ですか!?」
「さすが相棒! 無事で良かったぜ!」
「お前、よく生きてたな!」
今度は
腰をさする
「無事じゃねえよ! ケツが痛え! 見ろ、ケツが真っ二つに割れちまった!!」
何を言ったかと思えば、
そのそばで巨大ナマズは何か嫌な物でも見たかのように、大きな顔をブンと横に向けた。
「見せんでええ!!」
「あのなあゴマ。人間の尻というのは、元から割れてるんだぞ」
「あらやだー、いいお尻ー」
そんな彼らを他所に、
「ゴマ!」
その間に
「またアイツか! ゴマにベタベタせんとって欲しいけど……」
「スピカ、今は
「目を狙います! 【フォルテ】!」
真の勇者の技、“フォルテ”を連射。
見事、ヴァンニー・ヴァンヴァニディーロの両目に命中。「ぐげぇ〜」と苦しげに声を上げる大ナマズ。その巨体で暴れるたび、地面が揺れる。
横を見れば、
「ソアラよ、いけるか?」
「おうよ!
立ち上がった暁闇の勇者・
黒い髪と茶色の髪が、風に
「今だ。行くぜ!」
「喰らえーッ!」
2人の勇者が、巨大ナマズを目掛けて同時に飛び出す!
「「【
剣と拳の、重い一撃が黒い巨体を穿つ。
巨大ナマズの顔面が潰され、腹部は真っ二つに切り裂かれた。2つに分かれた黒い巨体は空中を舞い、水飛沫を上げて海に沈んだ。
数秒後、水中で大爆発。波飛沫が
ヴァンニー・ヴァンヴァニディーロは、光となって天に昇っていった。
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