20.喪いたくない
ワープゲートから出てきた場所は、ウキョー競技場のすぐ近くの大通りだった。
現実世界と同じように、車が行き交う。オフィスビルの明かりが、まだ煌々と灯っている。
電光掲示板の時計は、午後8時を示していた。
「ミランダさん、“獅子の装備”をまた私の部屋に放り込んでおいてもらえますか? 重いので……」
「また!? 分かったわ!」
中に着ている服は、ぐっしょりと濡れていた。軽く絞ってから、緑色の水筒の入ったバッグを背負い直す。
「まだラデクくんたちは、競技場にいるでしょうか……?」
「待て、
その間に、遅れて
「……ああ。無事か。なら良かった。で、今どこなんだ。……そうか。“生命の水”ってのを持って、すぐ行く」
「ゴマくん、誰と話してたんですか?」
「スピカだ。ソアラはまだ意識失くしてるとか言いやがる。“ウキョー動物病院”ってとこに、みんないるってよ。急ぐぞ!」
周りを見渡した
しかし、
「ゴマくん……! そっちじゃないです……!」
「何だと!? そういうことは早く言え!!」
「あの動物病院へ行くつもりだ! 追うぞ!」
後から、
“ウキョー動物病院”まで、あと百数メートルほど。
一刻も早く、ソアラくんに“生命の水”を与えなければならない。だがこういう時に限って、通行人が横に広がって歩いていたり、信号に引っかかったりする——。
少しずつ“ウキョー動物病院”の看板が近づく。それに比例して、心臓の鼓動も速くなっていく。
間に合いますように——!
“ウキョー動物病院”のある小さなビルのロビーに到着、エレベーターに乗り込む
全員の到着を待たずドアを閉じ、4階へ。
ドアが開くや否や、
「あわわ……ゴマくん!」
「ソアラちゃんですね! こちらへ!」
受付の女性から笑顔が消えたので、
診察室へと案内され、ドアを恐る恐る開く。
そこで目に入った光景に、
————
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【次週予告】
☆ソアラは無事なのか、それとも——。
☆いよいよ船をもらいに、一行はフシミ港へ向かう——。
21.ドタバタ復活劇
22.お疲れ様会
23.砂浜の道へ
24.新・合体技、炸裂!
25.フシミ港にて
どうぞ、お楽しみに!
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