15.勇者のメロディ
アッシュグレーのヘルメット式マスク、同じくアッシュグレーの装甲、新たな剣、盾が
『Let's Go! ミオン
銀色に輝く装甲で全身を覆われた
「す……凄いです! 力がもりもり湧いてきます!」
「行け! サーシャとやらをぶっ潰して来い!」
「あの、ゴマくんは戦わないんですか?」
「ボクは後でサーシャの能力をいただくから、ここで待ってる。だからさっさと潰して来い」
ミオン
足を踏みしめるたび、ガシャガシャと装甲の音がする。
「
「いなちゃん! この力で……今のうちにサーシャさんを倒してきます! 見ててください!」
「そうか! よおし……」
「お前ら全員、パワーアップしてやる! ギリギリ残った魔力を全部使うから、一発で決めろよ!」
「いなちゃん、ありがとうございます!」
「
「ああ、そうでした! すみません……」
「ほら、さっさと行ってこい!」
奇声が、夜の峡谷に響いていた。
ミオン
攻めるなら、今——!
「“ピア・チェーレ”の皆さん……! これで決めます! 力を、貸してください!」
「うん! 任せて!」
「ええ、これで決めるわよ」
「一発で行くよ! 準備いいかい?」
「絶対に、外しはしない!」
崖の上から、空中で頭を抱えて叫んでいるサーシャに、狙いを定める。
「鳴り響いて下さい……! 平和のメロディ!」
「愛のメロディ!」
「友情のメロディ」
「勇気のメロディ!」
「癒しのメロディ」
5つの旋律が重なり、壮大な歌となる——!
「みゅー!」
「ぴのー!」
「ガウルルー!」
「くまー!」
その響きはエネルギーと転化し、清涼な色をした光り輝く玉が出現。それはみるみるうちに巨大化、サーシャが繰り出した“パフェ”よりも巨大な水色の球体となる。
周囲が真昼の如く、眩く照らされる——。
「「「「「【メロディ・オブ・ミオンライト】!!」」」」」
青白く光を放つ球体に、可愛らしいくりくりとした2つの目が現れる。そして閃光を放ちながら、突撃。
球体は瞬く間に、サーシャを飲み込む。直後、超新星の如く爆散。シャラララという美しい響きと共に、虹色の光が辺りに広がる。
「あああああああああああ!!」
やがて光が薄らいでいくと、体から煙を上げながら宙をフラフラと舞い、落ちていくサーシャの姿が残った。
紫色に見える血液が、彼女の全身から流れ落ちている。
「やりましたか……!?」
ミオン
その時、背後から
「サーシャとやら! お前の
すみれ色をした光の靄が、サーシャを包み込む——。
「!? そんな、ワタクシの飛行能力が! いやあ あ あ あ あァァァァ」
「ああ、サーシャさんが!」
アルス王子の声。
振り向くと、犬から元の姿に戻ったアルス王子の姿があった。
アタゴ山側の崖上で、茫然と立ち尽くしている。
「アルスさん、無事でしたか!」
「アルスくん! 良かった、元の姿に!」
ミオン
「勇者ミオンさん……なの……?」
「もう大丈夫ですよ、アルスさん。さあ次は、奪われた“生命の水”を取り戻しましょう!」
「アルスくん、私の手を握って! 私と一緒に休める場所を探そ!」
変身した
装甲が、光と共に宙へと消えていく。
「これでサーシャもオダブツだな」
頭上から、
サーシャから奪った
♢
無事、サーシャを倒した。
地殻変動も止まった。
“ジャイアント・ディック”は完全にひしゃげてしまい、機能停止したらしい。
「ひとまず、強敵を倒せましたね。万歳しましょう!」
「「ばんざーい! ばんざーい!!」」
「喜んでる場合じゃねえ。
————
※ お読みいただき、ありがとうございます。
急げ、
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【次週予告】
☆突然、アタゴ山の地面がプリンのようにぷるんぷるんに!?
☆そしてみるみるうちに巨大化する双子山——。
16.山肌モミモミ
17.モミモミ祭り
18.双子山、巨大化
19.急げ!!
20.喪いたくない
どうぞ、お楽しみに!
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