8.ピア・チェーレ、大奮闘!
「1人でワタクシに勝てるとお思いですの?」
サーシャは“ロリータ・ホワイトステッキ”から3発、魔弾を放つ。
それらは空中で弧を描くと、急加速して
「悠木さん! “サンデー”!!」
咄嗟に
こちらの攻撃の
矢継ぎ早に、“サンデー”を放つ。
油断していたサーシャに、それは直撃した!
「くうっ!」
怯むサーシャ。
そこに、
「ラヴィング、行くわよ」
「うん! 飛田さん、ありがと!」
(頑張ってください、悠木さん、雪白さん……!)
「いくよ! “ドリーミング・ボサ・ノヴァ!”」
「みゅー! レッツゴー、ラヴィング!」
すると、サーシャは戦意を喪失。力なく甲板に舞い降りると、その場にへたり込んだ。
続いて、
「次は私ね。“ダンシン・イン・サンバ!”」
「フレンズ、やっちゃえぴのー! どっかーん!!」
情熱的なアップテンポの曲につられたサーシャは立ち上がると、腰をクネクネと振りながら怪しげな踊りを披露し始めた。
「な……何ですのぉぉぉ!? 嫌ですわ、ワタクシのこんな姿を見られるなんて……!」
踊り狂い、“ロリータ・ホワイトステッキ”も甲板の上に落としてしまう。隙だらけになったサーシャ。
そこへ、
毛むくじゃらの体で跳ね回り
「僕もいくよ! “チアリー・ファンファーレ”!」
今度は
すると——ロウが光を放ち始め、みるみるうちに姿を変えていく!
「ロウ、行け! モード・
ロウは毛むくじゃらの丸々とした体から、体長2メートルほどの立派なオオカミの姿へと変化を遂げた。
艶やかな
「ガルオォォォン……! 見せてやろう、俺様の力ァ!!」
真っ赤な月に、銀狼の影が映る——。
「な……!?」
踊り狂っていたサーシャは、避けることができない。
空中から急降下したロウは、ガブリとサーシャに噛みつき、彼女を口に咥える。
「いやあああ! 放しなさい!!」
牙が刺さり、紫色の血が甲板に滴る。
ロウは首をブンと振って口を開け、サーシャを放した。
勢いよく飛ばされたサーシャは——暗闇に沈む谷間へと飲み込まれていく。
「こ、これで倒せた……のでしょうか?」
優志は息を飲みつつ、暗闇の底へと落ちていくサーシャを見つめていた。
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