13.究極魔法“パフェ”
「遅いぞ
“獅子の装備”を装着し、再び光の中から姿を現した
サーシャは潰れたベリーのような血液を滴らせながらも、フラフラと宙を舞っている。
完全に復活する気配は、まだない。トドメを刺すなら、今のうちである。
「行ってこい、
「
「サーシャさん! あなたの企み、止めさせてもらいます!」
「はあ、はあ……。病気の割には元気ですわねえ。勇者さん」
獅子の装備が辺りを翠色に照らすと、破裂音がこだまする。
「“
流星はサーシャを直撃——したかと思いきや、今までふらついていたのが嘘であるかのように、サーシャは鮮やかに空中で弧を描く。
あっさりと、“
「あ、あわわわわ!!」
「飛田さんっ!!」
甲板をダンと蹴る音がした数秒後。誰かに、細い両腕で抱えられたのを自覚する。
何と、
「“愛のメガトンキィーック”!!」
スタン、と軽快な着地音が耳に入ると、
「す……すみません、
「だぁーいじょうぶ! 飛田さん、意外と軽かったから!」
だが、安心するのはまだ早い——。
「オホホホホ……。そんな捻りのない作戦でワタクシを倒そうだなんて。揃いも揃って素敵な頭脳をお持ちですこと」
サーシャの持つ“ロリータ・ホワイトステッキ”が、白く光り始めた。
この光に、既視感がある——一瞬、そう思う
その後サーシャの口から、意表を突く技の名が飛び出す。
「“サンデー”」
鮮やかな閃光を伴った勇者の魔法が、
「うわああああ!!」
「
「飛田さんっ!!」
獅子の盾でどうにか防いだ
「【パフェ】」
サーシャ自身を飲み込まんとするほどの、巨大な光の玉が放たれた。
“ジャイアント・ディック”の船幅よりも直径が大きな白い光の塊が、隕石の如く
「なぜ、サーシャさんが勇者の技を……!?」
「
「私もやる。ここで負けるわけにはいかない」
“パフェ”と魔法のドームは、互いに拮抗。限界に達し、両者は甲高い破裂音をこだまさせながら弾け飛ぶ——。
反動で、ドーム内にいた
「く……“パフェ”は確か……」
————————
「勇者ミオン様は、最強の魔法、“パフェ”を使うと預言されています。今の魔法、“ドルチェ”をしっかりと鍛え上げパワーアップすると、“パフェ”を使えるようになる……と言い伝えられております。……勇者ミオン様、期待しておりますぞ!」
————————
「……マーカスさんが、確かにそう言ってまし……た。なぜ……サーシャさんが……」
高く昇った
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