12.優志、戦線離脱?
桃形飛行物体を谷底に蹴落として破壊した
“
そこに、
「やっと来たわね。遅いのよ、ゴマ」
「
「ゴマ、見てなさい。私も戦えるようになったんだから」
初対面にも拘らず話を全く聞かない
黄金色の光が
「私は癒すだけが仕事じゃないの。……“ゴッデス・ブロウ”」
屈んだ後、流星のごとくサーシャに向かい飛び出す
「くぅっ……何て速さなのですか……!」
顔を歪めるサーシャに、隙ができる。
次に動いたのは、
「落ち込むのは後でも出来る……! 今がチャンス! 行くわよ、フレンズ!」
「……分かった。やろう、ラヴィング」
「「シャイニングメトロノーム!」」
メトロノームがカチカチとリズムを刻み、それに合わせて踊るように、桃色と水色のエネルギー球が次々と発生。
球体たちが
「聖なるエネルギー、満タンだみゅー!」
「ぶっ放すぴの! どっかーーーーん!!」
ミューズは
「「輝け! 愛と友情の力! “フラタニティ・フラッシュ”!」」
「“
さらに
紫色に見える血液が噴き出す。
失速し、ジャイアント・ディックの甲板へと落下していくサーシャ。
「……あああああああああッッ!!」
“フラタニティ・フラッシュ”は落下するサーシャに向け進路を変え、そのまま直撃。
周囲に何も見えなくなるほどの、太陽の如き輝き。大気が震え、衝撃音がこだまし、甲板が激しく揺さぶられる。
光が消えると——甲板の上で力なく大の字になって、気を失っているサーシャの姿があった。目を瞑り、口や背部、腹部からは紫色の血液が流れ出ている。
犬に変えられたアルス王子は、くぅーんとか細い声を上げていた。
「す、凄いです。“ピア・チェーレ”……」
「おい
「そ……そうですね! ちょっと待っててください!」
「待ってて下さいって、そんな暇ねえっての! おい、何をする気だ!?」
「ミランダさん、私の部屋に繋げて下さい!」
「
光の中から現れたミランダは、困惑しながら慌ただしく飛び回る。
「私の部屋に……【獅子の装備】をワープさせてくれましたよね。それを取りに行きます! 装備して、すぐ戻りますから!」
「だったら、その装備をすぐワープさせてあげるから、ここで着替えたら?」
「いえ……。ちょっと、私の部屋の空気が吸いたいです……気持ちを落ち着けて、いつもの自分に戻りたい……」
そんな暇ないのに——。
話を聞いていた
が、
♢
しんとした、
床に丁寧に置かれた、【獅子の剣】、【獅子の鎧】、【獅子の兜】、【獅子の盾】。
外から聴こえる、小鳥の鳴き声。車のエンジンの音。近所のおばさんの話し声。
ワープゲートは音もなく、虹色の輝きを放っている。
全てを装着し終えた
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