45 星猫戦隊失踪事件


 第2戦で勝ち残ったのは——。

 サミュエル、蒼天ソアラ猫月ゴマ、ヨイチ、ベンジャミン、影丸かげまる、マサオ、ゴーレムの8名である。


 蒼天に胸倉を掴まれたのもあり少しムシャクシャしている猫月は、気晴らしにまた配信を始めようと、ニャイフォン15フィフティーンを取り出す。


「ん……? ソールさんからめっちゃ連絡来てるじゃねえか!」


 メッセージアプリ“NYAINEニャイン”の通知が50件以上溜まっている。

 うち30件が、星猫戦隊コスモレンジャーのリーダー、ソールからの連絡であった。


「ウチもや」

「オレもだ!」


 その内容とは——。


『ゴマくん! 集合だぞ』

『スピカさん、今どこにいる?』

『ソアラくん! ゴマくんとスピカさんを見かけたら呼んでくれ!』

『ゴマくん! 返事してくれ!』


 その他にも、コスモレンジャーの仲間——ムーン、マーズ、ライムからの連絡も数件。


『ゴマ、どこで何してるのですか。連絡ぐらい返してください』

『ソアラー! また修行に出たのか知らないが、連絡ぐらい返せよー』

『スピカ。どこへ行った。みんな心配してるぞ』


 そして、最新のソールからの連絡が——。


『以下、一斉に同じ内容を送っている。

 数日前から、我々星猫戦隊コスモレンジャーのメンバーが、次々に行方不明になっているんだ。

 行方不明のメンバーは、以下だ。

 マーキュリー

 ヴィーナス

 ゴマ

 スピカ

 ソアラ

 ポコ

 このメッセージが届いたら、誰でもいい、返信をくれ!』


 猫月、暁月スピカ、蒼天は、慌てた様子でそれぞれ顔を見合わせる。


「っべ! ソールさんたちに言うのすっかり忘れてたぜ」

「ほんまやーん! 人間になれたのが楽しすぎて……」

「すぐ返信しようぜ! えーっと“ゴマ、スピカ、オレは、ミランダのワープゲートで夢の世界オトヨーク島ってとこに来ている! 連絡しなくてすまねえ! でも、マーキュリーさんたち他のみんなはどこへ行ったんだろな!?”……送信っと!」


 蒼天が返信して1分も経たぬうちに、短い着信音が鳴る。ソールからである。


『よかった! 君たちが無事だったことだけでも安心だ。もし、マーキュリー、ヴィーナス、ポコくんも見かけたら、教えてくれ!』


 蒼天が返信の内容を話すと、猫月は首を傾げ、暁月は眉を顰める。


「マーキュリーさん、ヴィーナスさん、ポコは、ガチで行方不明ってことだよな?」

「どないしたんやろ? 何や嫌な予感するなあ……」

「ミランダの奴に聞いてみるか!?」


 猫月たちはミランダを呼び出しマーキュリーたちの行方を尋ねたが、「私は全然知らないし、ワープゲートを使うように頼まれてもないわ」とのことであった。心なしか、ミランダの声が弱々しい。

 マーキュリー、ヴィーナス、ポコは一体、どこに行ってしまったのだろうか——。

 

 そうこうしているうち、第3戦——準々決勝に向けての組み合わせが発表される。

 ちなみに、準々決勝に出場する者は8名、4つの組み合わせになり、4分割されたグラウンドで1度に試合を行うことができる。そのため、チーム分けはこれ以降、行われない。


「準々決勝の組み合わせを発表します! サミュエルVSヨイチ。猫月ごまVSゴーレム。影丸VSマサオ。ベンジャミンVS蒼天ソアラ」


 猫月、蒼天は、行方不明になった星猫戦隊の仲間たちのことは一旦保留にし、気持ちを切り替える。

 手を振る暁月の方を振り返りつつ、猫月は東側控え室、蒼天は西側控え室へと向かった。

 準々決勝への準備が、始まる——。


————


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【次週予告】


☆ 「ええ! まさかとは思ってたけど! 勇美ちゃん、星愛ちゃん、あなたたちは……!!」

 天ノ河に連れ去られた悠木。

 天ノ河、癒月の正体がついに明かされる——!

 

☆ 「ごめんね。今、誰かがあたしの魔力に干渉してるみたいで……ワープゲートが使えないの」

 ミランダのワープゲートが、使用不可に!


☆「おいテメエコラ、ハゲ丸とやら! 何してくれてんだ! そんなのありかよ!」

 ブチギレる猫月と、暴走忍者、“影丸”——。準々決勝で、何が起きたのか?


☆いよいよ準決勝、勝ち残るのは誰だ——?

 優志のパーティーメンバーである猫月、蒼天は決勝進出を果たせるのか——。


46.新たなる、美少女魔法戦士たち

47.ワープゲート使用不能

48.準々決勝! びっくり忍者!!

49.準決勝! 唸る猫拳!!

50.準決勝! 最強猫勇者と孤高の魔法戦士!!


どうぞ、お楽しみに!

 

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