8.オトヨーク島の中心部、ニジョー城
ミランダのワープゲートで、夢の世界グランアースへとワープしてきた優志、猫月(ゴマ)、暁月(スピカ)、蒼天(ソアラ)。
着いた場所は、オトヨーク島の中心部——【ニジョー城】の城下町の中であった。
ニジョー城の見た目は、煉瓦造りの中世の城で、高さ50メートルはあり、屋根の天辺にはいくつもの旗が立っている。周囲には、4つの煉瓦造りの塔が建てられている。
城下町は、繁華街モヤマよりもさらに広い街であり、様々な建物——民家、教会、宿屋、武器屋、防具屋、道具屋など——が立ち並び、多くの人で賑わっている。
「あれ? ゴマくんたち、サイズが……」
猫月たちは人間の姿になったものの、サイズは猫のままなので、優志の足元に小人が3人いる図式になってしまっている。
「お、おい! 何だこれは! せっかく人間になったのにこれじゃ意味ねえじゃねぇーか!」
『ごめんごめん、ゴマくん! すぐに人間サイズにするわね。それっ!』
ミランダの杖から光が放たれ、猫月、暁月、蒼天を包み込む。すると3人はみるみる大きくなり、光が晴れるとそこには、人間サイズになった猫月たちがいた。
猫月ごまは、身長186cm。
暁月スピカは、身長154cm。
蒼天ソアラは、身長173cm。
「ゴマくん、でっかいですね……」
「ハハハ、優志よりデカくなっちまったなぁ!」
「ウチはもーちょい身長欲しかったわぁー」
話し込んでいる時、優志たちが出てきたワープゲートが再び光り出し、今度は2人の女の子が出てきた。
「あ、いた。飛田さーん!」
「愛音! はしゃがないの!」
前の戦いで優志と共に活躍した【美少女魔法戦士ピア・チェーレ】——【
彼女らは学業で忙しい時期だが、新型ウイルス流行で当面休校になったので、ミランダに呼ばれ、優志たちと共に夢の世界を冒険することになったのである。
「ゆ、悠木さん、雪白さん!」
「あれ、この人たちは?」
悠木は、人間になったゴマたちを見て目を丸くする。
「よぉ。久しぶりだなお前ら。ボクだ、ゴマだ」
「やっほ。スピカやで! かわええやろ、この姿」
「ソアラだ! この姿もなかなかイケてるだろ!?」
「え、どゆこと!? 君たち、あの猫さんたちなの!?」
「人間の姿……なかなかいいじゃない」
猫月は悠木と雪白に、ミランダの力で人間にしてもらったことを得意げに話す。そのついでにVライバー活動を始めたことを宣伝し始め、猫月の口が止まらなくなったので、優志が申し訳なさそうに話に割って入る。
「あの……すみません」
「チッ。何だよ、宣伝活動してる時に!」
「私たちには時間がありません。ひとまず大きなお城があるので、行ってみませんか? おそらくこの島の王様がおられると思いますので、話を聞いてみましょう」
オトヨーク島は、【リベル王】が治めており、その王城が優志たちの視界に映るニジョー城である。
城下町の大通りを行き、優志たちは城門へと辿り着いた。
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