4.玉城の入院ダイエット大成功

 

 優志の紹介でハールヤの医院に入院した、体重100kg超えの玉城が入院中に行なったことは——。


 朝、体内時計をリセットするために、日が昇る時間に起きる。

 白湯を飲んで身体を温め、体操をする。

 食事は人間用に作られた高タンパク低脂肪のメニュー——朝は果物中心、昼、夜は旬の野菜と魚料理中心。

 午前中は、思い思いに好きなことをしてストレスを解消。

 昼食1時間後に、ストレッチを20分、筋肉トレーニング、整理運動。少し休憩したのち、ウォーキングを1時間。

 そして、ハールヤたちがと呼ぶ、足裏の反射区療法と全身のマッサージ。

 夜に、脳波を測りながら好きなことを考えつつ瞑想。


 これで、各数値はほぼ正常化したという。


「玉城様、お待たせ致しました」


 優志とハールヤは、待合室の扉を開ける。

 待合室には、帰る支度を済ませていた玉城浩司と塚腰邦子が待っていた。

 玉城はやはり見違えるようにスリムになっており、またも優志は「人違いでは……」と思うのであった。


「ほんとぉ、ありがとうございましたぁ。なんだかハッピーな気持ちですぅ〜」

「これで心置きなく結婚できます。ハールヤ先生、ほんっとにありがとうございました!」


 玉城も塚腰も嬉しそうに、ハールヤにお礼を言う。

 ハールヤは玉城に、各数値の変化のデータを見せた。


 体重——105kg→88kg

 体脂肪率——40.0→32.2

 GOT(肝機能)——52→35(正常値38以下)

 GPT(肝機能)——130→65(正常値44以下)

 γ-GTP(肝機能)——152→50(正常値80以下)

 LAP(肝機能など)——105→70(正常値30〜70)

 総コレステロール——238→198(正常値120〜220)

 β-リポタンパク——802→488(正常値160〜600)

 中性脂肪——480→93(正常値30〜149)

 尿酸——9.0→7.1(正常値3.5〜7.9)


「見事ですね。ご結婚なさってからも、入院中に行なったことを習慣にしていれば、健康を維持できますよ」

「いやぁ〜、入院生活ぅ、楽しかったから名残惜しいですぅ。楽しかったから続けられたのかもしれませんねぇ〜……」

「はい、何をするにしてもことが、とても大切ですからね」


 ハールヤは「ではお大事に」と笑顔で言うと、優志、玉城、塚腰をエントランスまで見送った。

 ちなみに、不摂生若者猫のダスティも同日退院であった。彼も、入院生活において食事と運動、いい気分で過ごすことをしっかりと心に刻んだのであった。


 ♢


「さて、元の世界に帰りましょうか、玉城さん、塚腰さん」

「いやぁ〜、ここに住みたいなぁ。このねずみさんの世界に新居建てようよぅ」

「何言ってんのよもう!」


 優志はミランダを呼び出し、優志、玉城、塚腰はワープゲートをくぐって元の世界へと帰っていった。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る