47.流星の巨神VS邪悪なる竜
『七神合体! “スーパースター・マジンガ”!』
スピーカーからソールの声が聞こえた直後、突如景色がぐるりと回った。守護機神アストライオスが、変形を始めたらしい。
「ど……どっちが上か下かわからないです! 目が回る……!」
「
変形したアストライオスの機体が、他の守護機神の機体と接続されるのが見える。そのたびに響く金属音。激しく揺れる機内。
「合体終了だ。コクピットへ案内するから、ついて来い」
既に、
ふらつきながら、アストライオスの機内の後ろにある隠し扉のような入り口をくぐる。その先は、飛田が屈んでやっと通れるほどの狭い通路が続いていた。
目を回し息も絶え絶えな飛田は、ひたすらゴマを追う。
通路を駆け上がり、行き止まりの扉を開けた。そこは7人分の座席があるコクピットだった。ソール、ムーン、マーズ、マーキュリー、ヴィーナス、ソアラが既に座席についている。
フロントガラス越しには赤茶けた荒野の風景、遠くにはニャンバラの街が見える。“スーパースター・マジンガ”の体高は、約10メートルほどだろう。
桃色の空には、翼を広げ旋回する邪竜パン=デ=ミールの巨体。
「グォオオオン……小癪な猫戦士ども……」
咆哮と共に放たれた邪竜パン=デ=ミールの声が、ビリビリとコクピットに伝わってくる。
「ボクの搭乗するアストライオスは、ちょうどスーパースター・マジンガの胸の部分にあたるんだ。合体したら、オレンジ色のVのマークになるんだ。それは、
ゴマが得意げに言った。しかし相手は体長約50メートルのドラゴン。約5倍もの大きさの敵と戦わねばならない。
「優志! 狭いがボクの隣に座れ! ベルトも一緒に締めるぞ!」
「は……はい!」
ゴマの隣に座り、シートベルトを締める。ゴマのもふっとした体毛が飛田の右頬に密着する。
「くすぐったいです……ヘックシッ!」
「だああ! くしゃみをするな優志! 新型ウイルスとやらに感染してたらどーすんだ!」
ゴマが前脚をバタつかせながら声を上げた時、ソールはフロントガラスを見たままゴマの言葉に返事をする。
「それは大丈夫だ。守護神のバリアでウイルスは防いでいる! ……よし、邪竜パン=デ=ミールの動きを捉えたぞ!」
ソールに続き、ムーンが右前脚を斜め上に上げながら叫ぶ。
「【パラライジング・キャノン】」
フロントガラス越しに、スーパースター・マジンガの両指先が見えた。それらは砲台と化し、閃光と共に計10発のミサイルが、邪竜パン=デ=ミールに向けて放たれた。
ミサイルは猛スピードで飛行していく。邪竜パン=デ=ミールはそれを避ける術もなく10発とも喰らい、白煙に包まれる。やがて邪竜パン=デ=ミールは失速し、地響きと砂煙を上げながら荒野へと墜落した。
「【トランキライザー・ビーム】」
ムーンは続けて、コクピットのボタンを押す。
スーパースター・マジンガの両肩あたりから、黄色く輝くレーザーが、倒れている邪竜パン=デ=ミールに向けて放たれるのが見えた。
「……無駄だぁ! グォオオオン……」
邪竜パン=デ=ミールは荒野に倒れたまま大きく口を開けると、口の中が緑色に輝き始めた。次の瞬間、緑色の輝きは光線となり、こちらに向けて放たれた!
思わず目を瞑る。が、スーパースター・マジンガは無事だ。
目を開けると、緑色の光線は“トランキライザー・ビーム”とぶつかり、相殺していた。爆発音が鳴り響き、衝撃がコクピットにビリビリと伝わってくる。
「油断するな! 来るぞ!!」
マーズが叫ぶのとほぼ同時に、邪竜パン=デ=ミールが再び口から緑色に輝く光線を吐き出す! 防御が間に合わず、スーパースター・マジンガは光線の直撃を喰らう。
「ぐわあああ……!」
「きゃーーーーッ!!」
コクピットが火花と白煙に包まれ、激しい揺れが飛田たちを襲った。
パニックに陥った飛田は思わずシートベルトを外し、コクピットの床に転がり込んだ。
「優志、しっかりしろ!」
「ぐ……ゴマくん……」
ゴマの前脚を掴み、どうにか立ち上がる。よろめきながら再び席についてシートベルトを締めると、深呼吸を1つして心を落ち着けた。
すると、マイルスの言葉が脳裏をよぎった。
『勇者ミオンよ……。そなたには守護神、“
飛田は拳を握りしめた。
「そうでした……私にも、守護神がついている……。一か八か、やってみましょう」
「優志、お前何言ってんだ……?」
飛田は右腕を上げ、叫んだ。
「来てください! 守護神……【
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