8.爆乳美女と、無垢な少年


「サラー! しっかりしろ、サラー!」


 目に涙を浮かべながら、サラーという名の女性をゆするラデク。


 すると何と!

 サラーは勢いよくむくりと起き上がり、突然ラデクをぎゅーっと抱きしめたのである。


「あらー、ラデク! 会いに来てくれたのー?」


 サラーは見た目20歳ほど、ブロンドのロングヘアに色白の肌、身長は165センチメートルあたりだろうか。そして—— Gカップ以上はあるであろう巨乳だ。

 ラデクの顔面は、そんなサラーの巨乳に埋もれてしまっている!


「ちょっと! 息ができないー!」


 苦しそうにもがくラデクを、全く気にせずに抱きしめるサラー。

 壁に飾られているのは、凛々しい表情の勇者ミオンの絵。それとはやはり対照的に、本物の飛田勇者ミオンは目のやりどころに困っていた。


「ごめんねー、また貧血の発作が出ちゃったのー。もう大丈夫よー」

「っぷはあ! もうサラー! 何してんだよ! まったく! 心配したじゃん!」


 絹でできた服の隙間から、胸の谷間がはっきりと見える。

 わざとなのか、長いスカートをつまみ上げ、脚を見せながら、サラーはラデクに問いかけた。


「で、こんな朝からどうしたのー?」


 ラデクは、隣にいる男性が“勇者ミオン”であること——これから魔王討伐の旅に出ること——そしてまずは“生命の巨塔”から盗まれた2つの“ゴールデン・オーブ”を取り戻しに行くこと——そのために魔法使いのサラーの力が必要であること——を、順次説明した。


「あらあ、よく見たら本当に勇者ミオン様じゃないー。じゃあ私の魔法も、いよいよ実戦で使えるわけねー」

「……はい、じゃあサラーさん、お力になって頂けるということで?」

「もちろーん。“生命の巨塔”が直れば、私の貧血も、ラデクの喘息も治るんだからー! 一緒に頑張りましょ?」


 そう言ってサラーは、飛田ミオンの右手を両手で包んだ。

 飛田ミオンは、至って冷静だった。若くて綺麗な女の子に手を触れられても、ぷるんぷるんのおっぱいを見ても、何とも思わない。飛田ミオンは、早すぎる性欲減退も自覚していたのである——。


 【サラー】が、こうして仲間になった。

 サラー、22歳。父母を亡くし、コハータ村で1人暮らしをしていた若き女性。ラデクの幼い頃、よく遊び相手をしていた。

 魔力を持ち、初歩の魔法を2種類使うことができる。


「じゃあ早速、実戦の練習といきましょー?」

「魔物の弱点とかについては任せてよ! 僕は魔物には詳しいんだ!」


 サラーとラデクは早速、装備を整え、支度をする。


「……はい、私も戦う練習はしたいので……。よろしくお願いします」


 飛田ミオンは革の鎧をしっかりと装備し直し、ずっしりと重い棍棒を手に持った。

 ラデクも革の鎧を着ると、短剣を鞘から出して錆がないかを確かめる。

 サラーは、とんがり帽子をかぶり、杖を持ち、いかにも魔法使いといった格好に着替えた——飛田ミオンとラデクの目の前で。


 ラデクは顔を赤らめながら目を逸らしている。紫色で光沢のある服はやはり胸がはだけて谷間がしっかりと見え、体のラインがはっきりと分かる。脚も、太腿から靴までは肌が露出している。

 顔を赤らめ続けるラデクを他所に、飛田ミオンは「そんなに肌を出しては怪我をしないでしょうか……」と、サラーを心配していた。



 3人はコハータ村の門から出て、すぐ近くの草原をうろつくスライムを探した。

 早速、3匹のスライムを発見。

 後ろから近づき、先制攻撃をしかけるラデク。


「やあああ!」


 ラデクの剣技が炸裂、一撃でスライムが飛び散る。飛田ミオンの棍棒では2回叩かないと倒れなかったのに。その攻撃の正確さに目を丸くする飛田ミオン

 残りの2匹も同じように、ラデクは一撃で葬り去った。


 ダイゴの森の入り口付近に、今度はガイコツを発見。飛田ミオンたちに気づいたガイコツはガシャガシャと音を立て、迫ってくる。


「見てなさーい、【プチファイア】!」


 サラーが叫ぶと、杖から炎が迸り、遥か遠くのガイコツに向け放たれる。

 空を飛ぶ蛇のようにうねりながら、飛んでいく炎。瞬く間に火に包まれたガイコツ。やがて光となり、天に昇って行った。

 ガイコツも飛田ミオンの力では3回攻撃してやっと倒れたのに、一撃で倒してしまったサラー。


「やったわー!」

「サラー、僕だって強いでしょ?」

「ほんとね。ラデク、凄いわね。褒めたげるー! えーい!」

「むぎゅ……だから息ができないって!」


 再び、サラーの大きなおっぱいに挟まれ、窒息寸前になるラデク。


 予想していたよりも、ずっと頼もしい仲間に恵まれた飛田勇者ミオンだった。


 この3人で、2つの“ゴールデン・オーブ”を取り戻す旅が、始まるのだ——!


————————


※ お読みいただき、ありがとうございます。


ラデクくんのもっと可愛いとこ見たい!

サラー、もっとおっぱい見せr

優志とサラー、ラデクの絡みをもっと見たい!


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