第6話 「仕草と心理描写」と「まともに面白くするためのリライト作業」と。


 いやー、どうっすかね。これ。

 本当に毎回、ひやひやしながら書いているんです。たぶんクソって言われるんだろうなって。

 だって余計なお世話だと思うんですよ。そのあたり私もクソのように経験しているし、基本言われたくない人なので……。


 ただ本当にあとちょっとでよくなるのになあ、と惜しい作品を見てしまうと、つい……。

 知り合いのひとりに「絶対に完璧なものを出さない。それを見たみんなが怒りだして、いろいろ手直しするようになる。それがグループでの創作のモチベーションにつながる」って言い張る人がいまして。ええ……と思うのですが、とある方面の神様の言葉なので、真理なのだろうなと。私もそれによく踊らされていますし。


 というわけで、今回の話も酒のツマミ代わりに読んでください。はい。




 さて。


 感想ありがとうございますー! 嬉しいです。

 今回のお話しは夕日ゆうや様からいただいた「仕草と心理描写の意見をいただけるとありがたい」というのを題材にしてみます。


 人間見た目が9割とか言われますが、それは容姿だけではなく態度的なものも入ります。たとえば「腕組み」があります。心理的にはこれは拒絶の表れだそうです。だから取引先の前では絶対にやるなと、私はビジネス研修の先生に言われました。ラーメン屋によくある、黒いTシャツ来た店の人が腕組みしている写真。あれは俺の店に来るなっていう意思表示なんですかね。


 ほかにもそんなのがたくさんありまして、たいへん便利なことに世の中にはそうしたのを教えてくれるものがたくさん転がっています。

 たとえばこちら。



榎本メソッド小説講座

人物描写がうまくなるコツを知ってキャラクターを魅力的にしよう

https://enomotomethod.jp/column/character-technique/



 はい、これでおっけー。

 私の話は、これ以上読まなくて大丈夫です(腕組みしてドヤぁ)。



 ……なんていう大人に私はなりたくないんです。

 それには2つあります。


 ひとつは「クロールを知らない人に『手の先を少し曲げると速く泳げます』ってアドバイスするような『どうにもならない感』がある」ということ。わーかんないですよ、こんなこと言われたって。わかんないから聞いているというのもありますけれど、まずクロールそのものがわからないと、このアドバイスはわかりようがありません。こういうアドバイスや他人の指摘には、今の自分にとっては的外れだったり、それを理解するには、また別のことを知らないといけないというのがあるのです。


 たとえば「手をつなぐ」という描写があります。私はわりと意識的に手の描写を入れています。カップルなキャラを出すとき、ふたりの気持ちの距離感を表すのによく使っています。

 こんな感じです。


 「あと5cm。ほんの5cm。私はその手に触れられない。それがずっと遠くに感じる」

 「手に少しだけ触れる。ほんの少しだけこの人の温かさが伝わった気がした」

 「握りしめた手からこの人の体温を感じる。それが私を焦がしていく」

 「手を強く握りしめる。私の想いがこの人に伝わるように」

 「同じ色をした爪が重なり合う。何度もからみあっては離れていく。熱を持った指先が……」


 と、だんだんと親密にエロくなっていきます。あ、百合です。はい。

 でも、「なんでそうなの?」と言われると、すごく説明がしづらくて。どういうときに使うの?と言われましても、みたいな。

 ここで「だんだんと恋人って仲良くなっていくでしょ。その時系列を読み手に感じさせるために……」と言うことはできるのですが、私、これ、余計なお世話になるんじゃないのかなと。そんなの知らなくても、ちゃんと書けたんですから。

 相手から見て「ピントのずれたアドバイス」ほど害悪はありません。私もさんざんそういう目に合ってますし、自分がそういうのの加害者になるつもりは本当になくて。


 もうひとつは「センスをつぶす」ということ。センスというのは「それを好みとして選択したこと」です。先ほどの「手をつなぐ」の描写は私が良かれと思ってああしているだけです。これが正解ではありません。いきなり手を絡ませ合うのがまだ告白もしていないカップルの心情でもいいじゃないですか。よくある「小説の書き方本」とかだと「わからない単語はわかりやすく置き換えろ」というのが結構出ます。そんなことしてたら『灼眼のシャナ』とか『ソードアートオンライン』なんか絶対に世に出ません。わからない専門用語だらけじゃないですか、あれ。

 アドバイスは一般論や総論なだけで、絶対な正解ではありません。そこから外れたものでも、それはあなたのセンスなんです。これは尊いものなのです。


 いまの本業で「センスってスケールさせることはできないんだよ。他人に仕事を任せて失敗するのって、だいたいそこだから」と同僚に言われて、はたと思ったのです。自分の「好き」は他人も好きかもしれないけれど、なんでそう思えたかは自分が歩んだ人生がそう決めていて、これは決して他人にわかってもらえるものではないなって。だからこうした「こうしたほうがいい」的なアドバイスは、せっかくその人が選んだ「好き」をつぶしかねません。それはその人の人生を踏みにじってしまう行為だし、もしかしたらそのせいで傑作が世に出なくなってしまうのは私は悲しいです。


 あ。この話、いまの連載を全否定しているような気もしますね。


 とはいえ困っているのもすごくよくわかります。だから「何かつかめるような的確なアドバイスはしてあげたい。それでもって良いものを世に出して欲しい」というのは心情としてあります。身近な人ならヒアリングして性格や好みまで加味したうえで的確なのを言うようにしています。少なくてもハウツーもの読めとか、私の経験としてはこう、みたいなズレた話で終わらしたくはないのです。




 それで。


 さんざん考えたのです。

 もうほんと、その人のおうちにお邪魔して、今まで書き溜めたもの全部読ませてもらって、性格とか指向とか好みとかみんな聞きながらアドバイスしたい。

 でも、それはできず。


 そこで「冬寂ならどう手を加えるか」というリライトの方法なら、つかめるものが多いかなあと思い、それを書いてみることにしました。

 これすらズレた話かと思うのですが、「拒絶を表すにはキャラに腕組みさせてください」みたいなのよりは、多少いいかなって。

 「クロールなら私はこう体を動かしている。そのうえで手をこうすると速くなっていいぞ」みたいな説明方法にしてみます。



 ここまでは大丈夫でしょうか?

 前フリ長すぎですね。ごめんなさい。

 もうちょっとお付き合いください。



 さて。


 最近はそうそうそんな目に合わなくなりましたけれど、本業であがってきた文章を読んで「これは……」と背景にゴゴゴゴゴという書き文字が浮かぶようなことがままありました。よくそんなのを手直してなんとかするというので、ご飯食べていました。そんな私が文章のリライトをしながら「仕草と心理描写」をどう加えていくのか、そんなのをつらつらと述べてみます。


 まず。


 最初に何度か査読します。探すポイントはつぎの3つです。


 ・物語の展開。

  何がどうなって、どうやって終えるのか。

 ・キャラクタの心情。

  どう心境が変化していくのか。

  それに基づいてどう行動しているのか。

 ・山場の確認。

  読み手の興味を引かせるのはどこなのか


 私だと、PCでテキスト読みながら、右手でペンを握りA4用紙にこのポイントをざらざらと書いていくみたいな、そんな査読の仕方をよくやります。


 物語の展開は、あらすじ書いていく感覚に近いと思われがちなんですが、結構違っています。どちらかというとシーンの抜き出しです。『走れメロス』なら「妹の結婚式である街を訪れる」「王のひどい話を聞く」「捕まって王の前に出される」……というように「起きた事象」を抜き出します。


 次はキャラクタの心情の確認です。「起きた事象」ごとにキャラクタがどんな心境なのか取り出します。先ほどの「妹の結婚で街を訪れる」ではメロスは「嬉しい」からひどい王の話を聞いて「激怒」へと変わります。こういうのを集めます。


 山場はその物語の読書感を決める重要なものです。だいたいにおいて物語の最後のほうが山場ですが、逆に頭の方に山場を持っていくというのもあります。山場はひとつだけでなく複数複合しています。そういうのがどうなっているのか、先ほどのシーンに追記していきます。私はよく山場を読んだ人が持つ感情の大きさで、大中小をそこに書き加えています。



 次は整理です。

 査読したポイントを眺めて、それをどんどん整理していきます。


 まず「この話はなんなのか?」です。

 クライアントから「ジャンプみたく王道で熱い話にしてくれ」と言われたら「あ、はい」と返事して、その観点で物語を点検します。「○○みたいなラブコメで」と言われちゃうとたいへんで、言われた作品を査読してポイントを抜き出し、手直しする作品とのポイントを比較しながら調整します。本業ではこんなことしているのですが、自分で書いているものであれば、それを明確にしましょう。


 『走れメロス』は「ほら、友情って尊いもんだろ。ま、僕はガン無視するけどね。あっはっは」と書いた太宰がくったくなく悪びれもせず笑っているような作品です(偏見)。寓話や童話なのですけれど、これをアクション物にするとしたら、どうでしょうか? 私なら王とメロスが対峙するシーンを先に持ってきて、一刻も早く読み手にドキドキさせます。もしくは朝焼けのなか親友セリヌンティウスと歩いているとか、そうした静かなシーンを加えてから王に捕まってひどい目に合うとか、読み手の感情に落差を与えます。


 ラブコメならどうでしょう? 恋愛とドタバタ喜劇の組み合わせというのは実に奥深いものですが、たとえば「王とメロスとセリヌンティウスが互いに片思い」みたいな設定を加えてみるとします。としたら、まずそれを読み手に見せていかないといけません。ラブコメだと「実は好きでした」みたいな読み手に衝撃を与える展開がよく山場として使われます。メロスが主人公な話なので、順番的には「メロスがセリヌンティウスにこっそり片思いしている。まだ言いだせない」というのを先に出したほうがいいかもしれません。そうなら、そんなエピソードを挟んだり、王と対峙する前のシーンにそれをほのめかすようなことを入れたほうがいいでしょう。最後は「俺はお前が好きなんだ。俺が走りぬいたのはお前が好きだったからなんだよっ!」みたいな告白を受けて、セリヌンティウスが心揺り動かされて王への想い断ち切るシーンとかどうですかね。王はそれをあきらめたように受け止め、「私もお前たちのようになりたかった」と言いだすとか。ベタですけど。


 こんなふうにこの話をどうしたいのか決めて、それをもとに「物語の展開」「キャラクタの心情」「山場」を整理します。そうすると修正したいところがたくさん出てきます。全部そうしてしまうと助長になりがちです。なので「山場に持っていくにはどうしたらいい?」というのを自問しながら、削りながら追加していくという作業になります。自分がいいと思っていても、山場へのつながりがよくないなら外します。逆に加えることが多いのが「キャラクタの心情」です。意外と抜けます。ここでは怒らせる、ここでは泣く、というのをシーンごとに入れておいて、そのつながりがきれいになるように物語の展開を修正します。




 こうして「書き換えるポイント」が出せたらいよいよリライトです。

 まずシーンごとにテキストを分けます。私は改行をだだだって入れちゃいます。それから整理したシーンの順番になるようにそれを入れ替えます。


 優先するのは「山場」です。そこを始めに書き換えます。メロスだったら最後は「走り終えたメロスが親友と語らう」「それを見た王が改心する」というのが一番大きな山場でしょう。それにつながるのが「一度は親友を見捨てようとした」「親友との仲」みたいな小さな山場です。

 この山場を最大限に発揮させるのが「仕草と心理描写」になります。


 はい、やっと出て来ました。長くてすみません。でも、ほんとうに山場にある仕草や描写って、こうしたのが連綿とつながっている結果なのです。腕組みが拒絶だと言っても、そういうシーンに加えるだけではあまり意味がありません。


 メロスの最後は、約束通り走り終えてセリヌンティウスが殺される前に王の前へたどり着けました。平坦に書くとしたら「城の中」「セリヌンティウスと再会」「良かった良かった」になります。「良かった良かった」感を出すとしたら、抱擁したりとか嬉しくて泣くとか、そんな感じになるでしょう。でも、これって「平坦」なんです。


 メロスとセリヌンティウスは最初は抱擁していません。まず「お前を信じ切れなかった俺を殴って欲しい」とメロスはセリヌンティウスに懇願します。あんだけ走ってこれですから。殴ると言う行為は怒りから発せられます。メロスは親友を裏切ろうとした自分に怒っています。それはやり終えた感じや安心感よりも作者が強調したかった感情です。この「怒り」を強調させる仕草が「俺を殴れ」になります。

 なぜそうなるかというと「友情って尊い」という話にしたいからです。読み手が「親友はたいせつ」「それをメロスが裏切ろうとした」「なんとか裏切らずに済んだ」というネガティブポジティブが渦巻く中で「再開して抱擁した」のなら、読み手は「ほっと」しますよね。でも、これ「裏切りそうになった感情」が強化されません。改めて「なんで抱き合うことでほっとするのか」というの読み手に持たせるためのシーンが「殴る」という仕草です。思い出しますよね。「お互いの裏切り行為はこうだったね」「あんなに仲良かったのにね」と、「ここまでの物語」を強く感じさせます。

 この殴ると言う仕草には、ここまでのお話しが全部詰められているからこそ輝く仕草です。逆に考えれば、ここまでのお話しは、全部この「殴る」を強化したり補助するためでしかありません。


 このように仕草や心理描写は、物語の意図を伝えるために使います。


 もうひとつの山場「王の改心」を見てみます。


 ――群衆の中からも、歔欷の声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。


 心理描写的なのはこの一文です。再会を喜び合うふたり。それを見ている刑場の群衆。みんなが感動してすすり泣いているような場面です。まずこの「群衆の中からも、歔欷の声が聞えた。」をなくしてその後の文を見るとどうですか? なんでそういう動きをしているのか、わかりませんよね。「顔をあからめて」って、お前このふたりに欲情しているのかよ、とか思ってしまいます。

 分解するとこうなります。


 ・群衆の歔欷の声

   王とは真逆の想いをみんなが持っている。

   ついでに読み手もそう思っている。

   王は孤立した存在。

 ・まじまじと見つめている

   なんか考えている。

 ・静かに二人に近づき

   謙虚になった。考えを伝えたくなった。

 ・顔をあからめて

   自分の行いを恥じた。


 直接的には言わず、みんな仕草や心理描写で言い表しています。かっこいいですよね。ぐっときますよね。

 そして、ここがよいのは「短い」ことです。「たいまつに照らされて」「長いマントを引きづりながら」とかそういう描写を極力省いています。上記の「読み手に思わせる感情」は重ねていません。簡潔に違う感情を思わせる行動や描写を短く重ねることで、ほどよいテンポ感を出し、メロスとセリヌンティウスの抱擁シーンを読み手の心に残したまま、最短で王の改心するセリフに繋いでいます。ぎゅっと詰めているんですね。これも山場を強く読み手に感じさせているところです。

 こうしてシーンとシーンがつながる長さというのも、仕草や心理描写で変えられます。



 リライト作業に戻ります。

 だいたい、こうしたところを直していきます。山場のシーンで印象的なセリフが出るとしたら、全部のものがそれに繋がるように削ったり加えたりする、逆に物語の主題に合わせて、そうしたセリフやシーンを修正します。

 キャラクタがいる背景やセリフは整っていることが多いのですが、よくあるのが「あ、物語のあれやこれやがここで言えてない」というところです。それをちょっとした仕草やセリフを加えて強化します。


 やってみましょう。

 ヒーローとライバルが共闘してラスボスを倒すようにするシーンです。



 元の文章。

 ――「待たせたな」。そういってあいつはやって来た。「遅いぞ」「俺なしでもやれるんじゃなかったのか」「そんなこと言ったっけ」「こいつ」……



 まあこれはこれで良いです。

 ライバルとヒーローのあれやこれは出せています。でも、少し弱いんです。なので、こういうときは「ちょっと引く」というのを入れます。



 直した文章。

 ――「俺なしでもやれるんじゃなかったのか」。腕組みをしながらあいつはそう言った。「そんなこと言ったっけ」。あいつは口をゆがませた。「こいつ」。ゆっくりと歩き出すと、俺の横に並んで剣をかまえた。「情けない奴だ。フィオナの件は水に流してやる」「ごめんな」「謝るのは、こいつを倒してからだ」……



 みたいな。

 最初ライバルはヒーローによくない感情を持っているように読み手に思わせています。ここが「ちょっと引く」になります。ポジティブなシーンならネガティブなほうにちょっと揺らすんですね。「口をゆがませた」も笑っているのかなんなのかわからない感じにしてます。「ゆっくりと歩き出す」で文字通り歩み寄っているところを見せて、「なぜそうなったか」を会話で話させています。


 こんなのはただのテクニックなので、やり方はいくらでも世の中に転がっているのですけど、それをどう物語につなげるのかは、わりとセンスのいるところです。「フィオナの件」というので、過去の物語を加えていますが、何かの動作、フィオナの形見をライバルが握りしめるとか、そうしたので代替するのもよくあります。「頼りない奴」もそんなエピソードがヒーローにあったのでしょう。あらゆるものが「これまで話した物語につながっている」と良いのですが、それを捨てたり強化したり決めるのがセンスなんだと思います。


 逆にこれがさほど重要なシーンではなければ、元の文章からさらに地の文を削ったりして、より簡潔に見せます。そうしないと本当の山場がどれなのか、わかりにくくなってしまいます。メロスの「王の改心」で説明したところですね。



 一番の山場のシーンが確定したら、ほかのシーンをそれに合わせて直していきます。

 少し複雑で、できれば読み手の感情を代理させるキャラがいたほうがいいな、と思ったら、この時点で加えることもあります。

 さらに作品的に「ここが楽しい」というポイントがあります。「どうしてこうなった」みたいな、いろいろなすれ違いが作品の「味付け」であれば、随所にそれを入れつつ、そのすれ違いの結果が最大の山場に繋がるように整えていきます。


 ちなみにこの段階で「あ、やっぱシリアス寄りで」と偉い人に言われたら吐血します。ぐはっと。またポイントの整理からやり直しです。自分で書いているものでしたら、そうはならないように「何の話か?」はちゃんと固めておきましょう。




 さて。


 ちょっと長すぎた気もします。

 まとめにちょこっとだけ。


 「お茶を飲む女の子」という例でしたら、


 夜に街が燃えているのを眺めながら「お茶を飲む女の子」。

 学食の端っこでひとり「お茶を飲む女の子」。

 こたつに入って家族と一緒に「お茶を飲む女の子」。


 という感じで背景の描写が変われば、同じ仕草でもみんな印象が違いますよね。読み手が感じる女の子の気持ちも変わってくるはずです。飲んでいるお茶もこのシーンでは紅茶が似合うかもしれません。それ応じて仕草も変わるでしょう。さらに「何の話か?」を象徴したり、キャラクタの心情と結びついたり、これまで話してきた物語がそこに直結すると、それが生きてきます。

 「復讐劇」+「町のみんなにいじめられていた」+「ひとりにだけ助けてもらっていた」+「その子が入れる紅茶がおいしかった」という話を積み上げたうえで「夜に街が燃えているのを眺めながらお茶を飲む女の子」。これはかなりいいですよね。気分爽快なところで、助けてもらったあの子を思い出して良心の呵責を感じ、かすかにお茶を飲む指が震える、とか入れたくなります。そもそも読み手がその前の文章で「このお茶が助けてもらえていた子がよく入れてたもの」とわかっていたら。

 こうして「仕草と心理描写」は作られています。



 なんかこんなんでいいですかね……。自信なしです。

 それでも何かの参考になれば幸いです。


 それではよい作家ライフをー。





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