第104話 ラノベの感想―― 攻略・ゴーレム物語 シュレーディンガーの猫


 第七章より




 もんだーい!

 トケルンとチウネルの恋仲は、最後のサイゴでどーなるでしょうか?

 じゃ、読者の皆さーん! に、あたしからヒントをあげまーす!

 ヒントは、『最後まで読んでください』です。


 あたしはウソしかつかなーい!! じゃ……


(ただのフリです)



 何処に行っちゃたんだろうね?


 俺には分かるけどな……


 うっそだー。じゃ何処なの?


 だってさ、今日が4月4日でナザリベスの命日だから……

 あいつがお墓場にいるってのは矛盾じゃん。


(幽霊であるナザリベスが、自分の墓にいることが矛盾?)


 あいつは……ナザリベス――田中トモミは、今度こそ“お別れ”を言いに来たんだ。

 お別れを……?


 もしもさ……。ナザリベスが……生き返ることができたとしたら。

 ……それって、凄いことなのかな?


(幽霊であるナザリベスが生き返るって? 最終章らしい展開ですね)




       *




 ♬♪~ ♬♬♪~ ♪~


 ほら! ……早く電話に出ろって。


 もしもし……ナザリベスちゃん? もう、何処にいるの??


(スマホに電話が掛かってきます。第一章の最初と同じ演出だ)


 じゃあ、早速もんだーい!!


 ――お兄ちゃんは瑞槍邸の玄関に置いてある置時計を覚えているよね?

 あの時刻って、あたしが悪戯しちゃったんだけれど……。

 そもそも、あの置時計ってなーんだ?


 えっ? ……それが、謎々なの?


(ヒロインお約束のツッコミが、最終章でも聞けました)


 じゃじゃーん!!

 ヒントは、“はとこ”の家の置時計だよ。


 そういえば……あの家の玄関にも置時計があったような?


 この瑞槍邸に2人で来た時にナザリベス――

 お前が悪戯した時刻は10時だった。

 丁度時報が鳴ったのを覚えている。


 うんうん、お兄ちゃん、んで? んで??


 あの家の置時計の時刻は――丁度6時を指していた。


 うんうん、だから?


 あの置時計――2つ共、お前が悪戯してたんだな?


 せいかーい!! さすが、お兄ちゃんだね。よくわかってるね~


(第一章の屋敷の中で見た置時計……。最終章で謎々として再登場させる計画だったのか! ……って誰が思うか! 作者よ、後出しジャンケンで思いつきだな?)




       *




 ――ナザリベスが悪戯した10時は分かるとしても、大体、あの家で俺達が着いた時に、6時キッカリって有り得ないだろ?

 JRの特急電車でもキッカリ到着って滅多に無いからな。


 ……確かに。

 お屋敷の時の10時って、ナザリベスちゃんが悪戯してたから……それと同じで、はとこの6時キッカリってのも、なんだか納得できるような気がする……。


 ……あのさ。なんだか変なのが謎々なんだって。


 ああっ! 最初から今日まで……

 全部が繋がっている謎々だったってことだ!


(謎々だけで、ここまで盛り上がるラノベって珍しいよね……)



 ――衝撃的な告白だぞ!

 このナザリベスシリーズの最初っから全てが繋がっていて、全てに謎々のヒントが隠されていた。


(作者はウソしかつかなーい!!)



 10時と6時――足すと16。

 それに最初の謎々、瑞槍邸のカードに込められた――掛ける。

 つまり『4×4』、ナザリベス、お前の命日が答えだ!!


(作者曰く、4という数字が死に直結する思い出の数字でトラウマだったとか?)




       *




 あれか!

 ゴーレムが怖いんだ。トラウマだな。


 ゴーレムより、ナザリベスの幽霊の方がある意味怖いだろ?

 普通に現れては消えるし……


 ナザリベスちゃんは……可愛いからいいのよ。


(ヒロインのゴーレム恐怖症を、作者のトラウマと重ねているのだろう……)



 ……最後の最期で、これに掛けたいんだろ? そうだろ?


 ……何を? お兄ちゃん??


 ――生き返ることをだ。ナザリベスよ


 えっ、えーー!

 ナザリベスちゃんが、生き返るって……??


(主人公が先に解答しちゃった……っぽい)


 あー! それ、あたしのもんだーい!!

 だったんだよ。お兄ちゃん!



 私は彼の言葉で思いつくのが、『シュレーディンガーの猫』って話だと思うの……


(天才数学少女が解説する場面です。ここかなりのポイントだと思います)


 ――ナザリベスちゃんも幽霊でなく人間と……7歳の人間として皆がそう思えば……、

 ナザリベスちゃんは人間になれるということ。


 なあ……ナザリベス。

 お前は生き返りたくはないって言ってたっけ……三途の川で?


 ……お兄ちゃん?

 ……いろんな生き返り方があると思うんだよ。


(最終章の、最後の最後の謎々へのフリだな)



 うん、そういう話をしたの……。

 私達は実験体の猫の気持ちを、少しは考えてほしいって――


 私達……? どういう意味かな……。


(猫が好き好んで実験体になんか……なりませんよね?)





 続く


 この物語はフィクションです。

 元ネタは、『じゃじゃーん!! ナザリベスだよ。あたしはウソしかつかなーい!!!』です。

 全話完結しています。


 作者のこのラノベも読んでください。

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