第105話 ラノベの感想―― 攻略・ゴーレム物語 あたしはウソしかつかなーい!!
第七章の続き
じゃじゃーん! あたしはウソしかつかなーい!!
(ナザリベスといえばウソ、ウソといえばナザリベス――)
あたしは今から3つの謎々を出すから、
それに答えられないと永遠にこの地下の部屋に閉じ込められて、最悪死んじゃうからねー!
じゃあ! 早速、第1問の謎々を出すよ~
もんだーい!! どうして、あたしは4月4日に死んじゃったのかな?
え……。そ、それが謎々なの? ねえ、ナザリベスちゃん。
(ここでも、ヒロインお約束のツッコミは健在です)
つまり、釈迦の誕生日と関係あるのだろ?
(これ、絶対に作者の思いつきでむちゃぶりだぞ!)
お前の命日の4日後が釈迦の誕生日になるよな?
お前は、その4日前に死ぬことを決めたのだろ……
どーして、御釈迦様が生まれた日の4日前に、あたしが死んじゃったのかな?
それじゃあ、お兄ちゃん! 答えになってないよ……
ナザリベス、お前は自分の墓石に刻まれてある『自分の名前』を覚えているか?
うん! 佐倉トモミ――だよ。
お前の本当の名前が田中トモミ――だよな?
――そして、お前は生き返りたいんだったよな?
『生と死は同一 死は生の裏返し』
ナザリベスが生き返りたいという理由って、私始めからわかっていたんだ……。
それから……4という数字にこだわっている理由もわかっちゃった。
(ヒロインが気がつきます。何をかというと、それは第一章の最後を読んでください)
*
……あのね、私達生きている人間がキツイ時や辛い時に、『もう死にたい……』て思うことあるじゃない?
それと同じで、幽霊のナザリベスちゃんにとっては、私達とは正反対で『もう生き返りたい……』って思うってことよ。
――4という数字にこだわっている、つまり4月4日がナザリベスの命日なのは、『死』を意味する数字だからなんだよ……。
不治の病で亡くなった7歳の女の子が生きている時に、最後にこだわったのが死だったの……。
それ、数学でいうところの虚数と実数、あるいはマイナスを掛けるとプラスはマイナスになるということと同じなんじゃ
うん……。そうだと思うよ。
お前は自ら積極的に病死することを選択したことで、生きることの意味(あるいは意義)、生きることの価値(あるいは尊さ)を、死をもって両親に伝えようとしていたんだろう。
そして、死んだ4日後に釈迦の誕生日を持ってくることで、生まれたことの感謝(あるいは感動)を表現したかったんだな?
……せいかいだよ。凄いね、お兄ちゃん。
(作者曰く、人は自らの死ぬ日を選ぶ―― 経験則だとか……)
*
じゃじゃーん!
気を取り直そうっか、お兄ちゃん?
第2問の謎々を言うよ~
もんだーい!!
この世界ってさ、ぶっちゃけ……何なのだろうね?
ナザリベスちゃん……。
それ、もはや謎々じゃないんじゃないの?
RPGでしょ? ナザリベスちゃん!!
だって、RPGってプログラマーとかシナリオライターとか、制作者が創らなければ存在すらできないもの!
要するに、ナザリベスは俺達に『シュレーディンガーの猫』の気持ちを教えたかったんだよ。
(RPGネタ、ほんとに大好きなんだな……)
*
最後の謎々は無理ですよ~みんな!
じゃあ最後の謎々だよ。
あたしは、どーして怒っているのでしょう?
(三度の登場ゴーレムです。第一章と第六章にも登場しました。この数字も16を印象づけていることに気がつきましたか? そして、最終章が7ですね。ちなみにRPGのゴーレムといえばドラ〇エです)
……あのね!
ゴーレムの額にね、トランプの『♡5』を当てればゴーレムの動きを止めることができるんだ!
♡5って?
お兄ちゃん……さあ!
この最後の最期の難解な謎々を、どう答えるのかな?
ちゃんと答えるぞ……。これでな!
ポケットにサッと手を突っ込んだ杉原ムツキ――
ゴソゴソと
♡5
である――
(ここ最大のクライマックスだ! 見せ場だ!! ナザリベスからの謎々を言葉で解答するんじゃなく、物体で解答してみせた主人公! ありえません……)
普通は持ってくるかな……
……だって、俺は何でも解けるんだからな。
……持ってきてたんだ。本当に凄いよ。
*
……あれれ?
俺はいつゴーレムの額にこのカードを当てて……なこと言ったっけ?
(ここもポイント! 最終章(最終話)らしい展開だと思う)
――しかし、
初回でトケルンは、この佐倉トモミを『旧姓』と言っている。
別に夫婦がどちらの姓を名乗ろうが構わないが、一応、正式には旧姓ではない――
では、『田中トモミ』の苗字である『田中』とは……そう、これこそが旧姓だ。
ということは――ナザリベスのママの苗字である。
ここで、大きな謎々があることに気が付いた人は凄いよ!
トケルンが初回の物語の最終話で、田中をナザリベスにとって『生』の象徴と語っている。
彼はそれを、瑞槍邸の部屋のあらゆる個所から推理したのだった。
どういうことか分かりますか?
逢いたいんだろ?
『生』の象徴である田中トモミとして、生き返ってママと逢いたい――
――これが、お前が自分自身に怒っている理由だ。
……うん。
お兄ちゃん、だいせいかい!!
やっぱ……お兄ちゃんにはかなわないや。
(なんと! 宝箱の中には『エクスカリバー』が入っていた! 主人公はエクスカリバーを手に入れた。……嘘か本当か? ナザリベス小説自体に叙述トリックが隠されていたという謎々です)
*
じゃ、俺が逢わせてやる……
右手に持っているトランプカード『♡5』をゆっくりと、
こうして欲しかったんだろ……俺に。
ゆっくりと……ナザリベスの額へとかざした。
優しいね……。
お兄ちゃんは……こんなの、あたしのわがままなのに。
わがままでいいじゃないか……。
まだ7歳の女の子なんだから……いっぱいわがままでさ。
(『7歳の女の子なんだから……』という書き方に、あたしは作者の思い出――夜市や秋祭りへの郷愁と愛着と、勿論、未練や辛苦も感じてしまう……ことは、今までの全章を読んできたあたしが感じた素直な感想です。作者曰く、ナザリベスというキャラクターは最高傑作だとか。もしも、自分が結婚していて子供がいたら、どういう気持ちになったのだろうか? ……という想像から始まったのがナザリベス小説。ナザリベスに終始付き纏った“生と死”という命題―― 夜市や秋祭りの思い出を生きてきた自分が生とするならば、もう子供時代の思い出とは決別しなければいけない『うんじゅっさい……』という自分の思い出を死にしなければいけないと、作者は考えた? 気持ちの整理をRPG風なラノベにしてきた作者かな? きっと、そうなのだろうとあたしは感じるけど……)
*
ちょっと!
7歳に『恋しく』なんて、わかるわけ無いでしょう。
えへへ。あたし、分かるよ~!
恋しくってのはさ、お兄ちゃんとお姉ちゃんの関係のことでしょう♡
は?
……何言ってるんだナザリベス?
はい?
ナ、ナザリベスちゃん……ごめん、ちょっと何言ってるのか分かんない。
(リゼ〇のエミ〇アがよく言うセリフを……作者もパクるか? ここで……)
はい出ました!
あたし――ナザリベスが一番最初に出した謎々の答えがこれだよ!
……最後まで読んでくれたかたには、わかったよね!
えっ? わからないって??
じゃあ、あたしが答えを教えるから……
やっぱり、や~めた!
答えは次回作で教えるからね~♡
(作者曰く。ナザリベスよ、もう勘弁してくれ……)
じゃあ、最後のサイゴに読者様全員にもんだーい!!
どうしてナザリベスは、今ここにいるのでしょうか?
……えっ? これもわからないって??
しょーがないね……、それじゃヒントをあげる。
ヒントはね――
『あたしはウソしかつかなーい!!』
第十二章 終わり
この物語はフィクションです。
元ネタは、『じゃじゃーん!! ナザリベスだよ。あたしはウソしかつかなーい!!!』です。
全話完結しています。
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