第103話 ラノベの感想―― 攻略・ゴーレム物語 幽霊になって、よかったんだ。 ……神様。
第六章より
坂道の真ん中でお爺さんは言いました。お婆さんはどこだ?
お婆さんはお宮の階段で言いました。お爺さんはどこにいるのかな?
さて、もんだーいです。あたしは、今どこにいるでしょう?
(この謎々は、物語のフリだから主人公にしかわかるはずがない……)
喜鏡荘の入口で見上げたらね、屋根の上に小鳥さんが二羽停まっていたんだ。
さて、どんな鳥かな?
この謎々には、まだ続きがあるの?
(ヒロイン、お約束ツッコミだ!)
ナザリベスの寝室の天井に飾られていた、左右対称の天体の本当の意味!
その小鳥は鳩だ!!
“はとこ”。これが答えだろ!
(小鳥と書いて鳩という解答、作者曰くナザリベスのモデルが『小鳩ちゃん』だからとか? ちなみに、これも物語のフリです……)
*
あたしが皆さんに、謎々を出しますから。それに正解したら扉を開けます。
(この女の子が、ナザリベスの“はとこ”です)
鏡よ鏡よ、鏡さん――
世界で一番可愛い、私の誕生日はいつでしょう?
6月22日だろ?
この家は喜鏡荘というらしいから、――つまり、桔梗草の誕生花の日付が答えなんだろ?
(病弱な子供の回復を祈ってかな?)
私はソロバンで、ずーと誕生日まで勉強していたんだ……。
それに画用紙に絵も描いたりして、お絵描きのお勉強も……。
さあ? ここはどこでしょうか?
UFOの中だ
ソロバンの誕生日……っていうか、記念日を知っているか?
22日から8+8を引いてみろ
……6だよ?
……つまりさ、6月6日がUFOの日だ!
なんで、この日がUFOの日なの??
じゃじゃーん!!
お兄ちゃん。あたしその意味知ってるよ!
ネコ型ロボットの絵描き歌だよね??
(昔のドラ〇もんの絵描き歌、知っていますか?)
むかーし むかし おじいさんは山へ芝刈りに
おばあさんは川へ洗濯に行きました
おばあさんが川で洗濯をしていると 川上から
どんぶらりん…… どんぶらりん……
さ~て! 何が流れて来たでしょう?
んへへ! そんなの簡単。大きな桃でしょ!
(ナザリベスが、はとこの女の子に謎々を出しています)
そうだけどね……。
そしたら、お婆さんがその大きな桃を、よっこいせと取り上げて、家まで持って帰ったんだよ
えー、まだ続きがあるの?
お爺さんも家に帰って来て、大きな桃を見て驚いた。
そして、その桃を食べようってお爺さんが言って、お婆さんは鉈で、その桃を2つに切り分けました。
さーて、中には何かな?
……桃太郎でしょ?
違うんだな、これが!
ヒント1、胎児だよ。
……ヒント2はね。
おもちゃの笛で おもちゃの笛で
みんな すやすや眠るころ~
ゴーレム!
(……解答したのは主人公です)
中にはさ、ゴーレムの人形が入っていたんだろ。
ちなみにヒント2はドラ〇エ1のゴーレムだ!
ナザリベス、お前って、ヒント2のほうがわかりにくいだろ?
(たぶん、胎児と退治を掛けていると思う。おもちゃのチャチャチャの替え歌です。城塞都市の門番ゴーレムを笛で眠らせます)
*
――ホタルブクロから蛍が飛んでいく。
竹からカグヤが月へと帰っていく。
いいか! ただ、それだけを昔の人は表現したんだ。
幼い頃の近所の親友との青春の思い出とか、夏休みのいとこと遊んだ思い出とか――
つまり、そういうものだってことだ。
ただそれだけを表現したかった……。
いとこ同士。幼い頃は夏休みとか、一緒に遊んだんだと思う。
喜鏡荘の設計をするくらいなんだからな。
(作者曰く、新子友花の特別編に書いた内容を重ねているとか? 夜市の川の橋に蛍が光っていた……という思い出)
つまり、実態と虚像……例えば鏡。
鏡に映る自分は左右が対称だ。
それに対して、カメラに映っている自分比べると、なんだか見た目が違っていることに気がつく。
鏡に映る自分は自分じゃないけれど、自分でもある。
他人が見ている自分じゃないけれど、自分でもある
(第一章、ナザリベスの子供部屋の天井の話から)
ホタルブクロに入ったホタル……飛んでいくホタル……生と死は同一。
この世の命は意識ではなく無意識――潜在意識で生かされている
(この小説にはよく音楽や歌が登場します。この話も最初おもちゃのチャチャチャの歌から始まります。そして、この蛍というキーワード、話の最後に誰でも歌ったことがある名歌が登場します。ナザリベスは幽霊です。では、どうして幽霊の女の子を作者は登場させたのでしょう? 難解な謎々を出すためには幽霊という設定のほうが書きやすかった……そうなのでしょうけれど、あたしはもっと奥が深い“謎々”が隠されているのではないかと考えます―― この謎々を考えたとき、あたしはどうしてラノベを書くのか? という命題を思いつきました。自分の記憶を整理するために書くのだと思います)
『夏休み、夜市、遠足、秋祭り―― 小学3年生のときの抑圧と未練からの決別です』
*
あたしは、渾身のウソをついて……良かったんだ。
本当に、あたしはウソつきで良かったんだ。
幽霊になって、よかったんだ。 ……神様。
でも……、本当はね。あたしはホントを言ったんだけれどね。
それもさ……、ヒミツでいいよね♡
(ナザリベスのこの言葉で物語は終わります。自分に嘘をついた? 幽霊のなせるわざ? それとも――)
続く
この物語はフィクションです。
元ネタは、『じゃじゃーん!! ナザリベスだよ。あたしはウソしかつかなーい!!!』です。
全話完結しています。
作者のこのラノベも読んでください。
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