ソナタ

青いバック

不老不死の恋人

 君はそこにいてくれた。いつもどんなときも。


 あの大きなショッピングモールで私たちは出会った。


「もういい歳なのだから、そんなの捨てちゃいなさいよ」


「嫌だ。 これは私の大事なものなの!」


「……好きになさい」


 お母さんは私の恋人を認めてくれない。こんなに愛らしいのに。


 昔はお母さんもこの子が好きだった。腕を怪我した時は、治してくれてた。でも、今は私が治してあげてる。


 どんなに怪我をしても、私が君を治してあげる。


「お部屋に帰りましょ」


「うん、そうだね。 帰ろう、帰ろう」


 部屋に帰れば、君のお友達も沢山いる。お母さんに、捨てられそうになったけど守りきった。


 分かっている自分でも。この恋は認められない。世界は私達の恋を認めてくれない、ロミオとジュリエットみたいに。


 分かっていても、分かれない。自分の好きな物を、好きな人と呼んで何がおかしいのだろうか。


 手が届かないアイドルに恋をするよりも、よっぽど現実的な恋じゃないか。


「私達は一生、認められないで生きていくんだね」


「いいじゃないか、君がいれば僕は幸せさ」


「だよね」


 君がいれば幸せ。そうだ。どんなに世界が後ろ指を指しても、私達はこのままでいいんだ。


 世界なんてどうでもいいんだ。見知らぬ顔の誰かを、気にして生きていくなんてアホらしい。


「君は不老不死だけど、私は先に死んじゃうね」


 私には寿命が存在する。避けれない運命。でも、君は治してあげるかぎりずっと生き続けれる。


 私が死んだ後でも君は私を愛してくれるかな?

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ソナタ 青いバック @aoibakku

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