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「授業中は大人しくしてるんだぞ」

「はーい」


 ぽすっと俺の膝の上にサキちゃんは座る。


 こういうところは幼い女の子みたいで、可愛いんだけどなー。


 朝礼が始まる前だったので、女子生徒たちが集まってくる。


「なになに、この子? 天使?」「妹さん? 天馬くんと似てないというか?」「お兄ちゃんの膝の上に座って、にっこにこだね〜」


 キャイキャイと俺たちの周りに花が咲いている。


 男子はというと、変に沈黙しており、カチ、カチとジッポライターを開け閉めしたり、昼飯のスパゲッティをこちらを見ながら黙々と早弁したり、無表情でポーカーをプレイするなどしている。……あれ、ここってマフィアの集会所だっけ……⁉︎


「はじめまして、お姉様方。わたし、道命サキといいます。その、お兄様が学校でどういう生活をしているのか気になって、ついてきてしまいました」

「えーかわいい」「だってよ天馬くん。かっこいいところ見せてあげないとね」

「わたしは将来、天馬お兄様のお嫁さんになりたいのです。……【好感度300%】」


 そのボソッとした囁きで、ビクーーーーン‼︎ と俺は昇天しかけた。鬼じゃん。この子、鬼じゃん。

 幼馴染のお尻の感覚で下半身が溶けそうになってしまった。


「どうしたの天馬くん?」「大丈夫? 急にオオカミの遠吠え我慢するみたいにして」

「だだだ、大丈夫……、少し足が痺れただけ……」

「【好感度500%】ふふ、お兄様が壊れちゃう」

「んんんんん〜〜〜っ!!!!」

「天馬くん⁉︎」「尋常じゃないくらい顔赤いよ⁉︎ 大丈夫?」

「たしかに天馬お兄様、具合悪そうです。わたし、保健室に付き添ってきます」

「う、うん!」「それがいいわ」「お大事に〜♡」


 にやにやと女子生徒たちは俺と道命サキを見送って、キャーと喜び合った。


 クラスから出る時に、トン、トンとフォークを机に突き刺す者、顎髭を撫でている者、ノンアルコールのシードルを煽っている者がいたりした。全員こちらを睥睨していたが、何度でも言おうか。ここってマフィアの集会所じゃないから⁉︎


 保健室に入ると、誰もいなかった。


「ちょうどいいです」


 ストン……、とサキちゃんはお嬢様中学の制服のスカートを下ろす。


 ドキッとする、俺。


 特に好感度はいじられていないが、普段は隠れている少女の細い太ももと白い下着が、目の前に晒されている。


 サキちゃんはそのまま、ワイシャツのボタンも一つずつ外していって、ついには下着姿になってしまった。


 白く細くて健康的な裸体が、ほとんど見えてしまっている。


 サキちゃんはにんまり、こちらを見て微笑んでいた。

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