第29話 特別授業(最終日)

いよいよ、AチームとBチームが最後の黒野草取得に動いた。

時間は3日目の昼2時であった。


両チームは徐々にレベルが上がっていた為、取得も最初に比べれば、早く終わった。


そして、10本目をゲットし、デバイスで指定された場所へと帰還した。


最初に到着したのは機動力が高いAチームだった。

その10分後にBチームが到着した。


マイケル くそー、リンダの方が早かったかー


そこへ桃とアルマ、ネムが来て子供達を一箇所に集め、その場に座らせるとマジックスクリーンを地面の上に出した。


桃 みんな、良く頑張りました♪じゃ、結果発表だよー


ララ 先生!


桃 はい♪ララちゃん?


ララ うん。あのね、桃先生は本当にあんなの毎日、出来るのかな〜?って。だって、身体も細いし、何か疑問で。


桃 イヤ~ン♪アタシ、褒められてる〜?


マイケル 多分、プチディスリ(小声)


マイケルは桃から目を反らした。


その時、桃の後ろにある森からデカい声が響いた。


アルマ 桃様、お下がりください!ここはオイラが


ネム アタシもいるよ!


アルマとネムが前線に立ち、背中に担ぐ槍を手にした。

桃が指笛を使うと、クロウを先頭に大ガラスが20体、現れ子供達を掴み空へと舞い上がった。


そこに、ズドーンと大きな音が響き、桃達の目の前にある森の木々が左右に全て吹き飛びだした。


姿を表したのは、体長20メートルはあるデカい熊だった。


桃 仕返し?かな?


アルマ あれは?


桃 多分、この森の主キングベアだね?

アルマっちとネムさんは、少し下がって!


ネム しかし、桃様が!


桃 大丈夫だよ

桃は、先頭へ歩きキングベアに話しかけてみた。


キングベアはグワ〜!と唸り声をあげた。


桃 ウーン。仕方ないね。


クロウ達に掴まれながら上空では子供達が、それを見守っていた。


リンダ 桃先生、大丈夫かな?


桃が構えると、キングベアが長い爪で桃を襲った!

桃は背中に蜂の羽(ウイングビート)を生やし、それを飛びながら左右に避けた。そして、キングベアの頭の上に飛び、片腕に魔力を込めた。


桃 まったくー!少しは話しを聞いてよねー!


Doragom HUMMER パーンチ!


桃の片腕がドラゴンのデカい腕に変化し、マッハのパンチが下にいるキングベアへ繰り出された。


キングベアの背中がくの字に曲がり、地面には地響きに合わせて大穴が開いた。


ララ い、一撃?...


子供達は応援をしようと開けた口を閉じた。


桃は洋服についた土ぼこりを両手で払うと、羽音を響かせて穴の前に下りた。


桃 おーい!大丈夫〜?


桃が大穴に向かって声をかけた。


キングベアは瀕死で腕と頭を土から出した。


桃 さすがねー♪生きてるわ♪アルマっち、保護をお願い♪


アルマ あ、はい


ネム ちょっと、やりすぎじゃないかい?(微笑)


桃 うーん結構、加減はしたはずなんだけど〜

もう少し、抑えなきゃダメだね?まだ、慣れてない技だっから、練習を頑張る〜笑


桃 あ、みんなー、もう大丈夫だよー♪おりてきてー!


大ガラス達が下降し子供達を安全に地面へ降ろした。


桃 クロウちゃん、ありがとう♪


クロウ これくらい、お安いご用さ♪


桃はクロウの頭を撫でると、クロウは再び飛び立ち

、仲間の大ガラスと共に空へと飛び去って行った。


桃 じゃー、邪魔は居なくなったし、続きを始めるよ〜♪


子供達 はい!


桃 正座とかしなくても普通に座って聞いてくれたら良いよ〜♪結果発表だからさー


子供達は苦笑いで、ゆっくり足を崩し座り始めた。


結果はAチームが早さと判断力で少し上回り、総合的に勝った。


桃 でもね?Bチームは団結力と多彩な魔法が良かったよ〜♪だから、これだけでヘコまないで♪みんな、まだまだ、これからだよー♪


と、そこへ美羽と零時が転移してきた。


子供達 魔王様!


零時 やっ!


桃 アニキ?どうしたの?


零時 そりゃ、あんなデカい音と魔力が発生したら様子を見に来るだろう?

で、来たんだけどさ。


零時が大穴を覗き、キングベアへ近づくと、回復薬をキングベアに使用した。

そして、魔笛を使うと、大穴に綺麗な音色が響き、キングベアはゆっくりと森へ帰って行った。


零時 今回は驚かせて、すまなかった!また戦ってくれよな〜♪


零時がキングベアへ手を振った。


零時 で、だ!今回は、みんな良く頑張ったし、ご褒美は全員に与える事にします♪

美羽、配って


零時が美羽にマジックバックを渡した。


美羽がマジックバックから、マーフ4とクリスタルバッチを人数分、取り出すと地面に置いた。


子供達から歓声が上がった!


桃 まさか!アニキ、最初から?


零時 ま、その辺はまた話すさ。そうそう、アルマよ、壊れちゃった森の復活を頼めるか?


アルマ も、もちろんです!オラとネムでやるだよ。な、ネム?


ネム んだ。任せてくださいな!


そして、ご褒美を配り終えた美羽が子供達に帰って良く休むように伝えると零時に近づいてきた。


美羽 勘だけどさ、これミルバさんの提案でしょ?(小声)


零時 内緒だよ。全員、お疲れ様!さー、帰ろう!

零時は転移して自分の部屋へ戻った。


美羽 もー!


こうして、子供達のレベルと知識は各々、格段に上がり、特別授業は幕を閉じた。





























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魔王様が転生しちゃう3 Mint @misty-1

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