第28話 特別訓練2日目

2日目 各チームは残りのキノコボアを午前中で5匹、捕獲し、第1の課題をコンプリートした。


そして、第2のスパイダーベアの巣窟に生えるとされる黒野草の取得に動いた。


Aチームはララがエルフの特技、エリアサーチを使い、スパイダーベアを捜した。


ララ こっち、こっち!


マイケル 本当にスパイダーベアなの?


ララ た、多分?


マイケル 多分かよー


茂みを分け、木に目印を付けながら、進んで行くと、小さな池が見えてきた。


その池で異様なオーラを放つ8本足の熊が、水を飲んでいた。


マイケル あれじゃね?


ララ うわー!何メートルあんのよ?


その時、後ろからアルマが声をかけた。


んー、ありゃ5メートル位はあんな


横にいたライトはビックリして、思わず叫びそうになったが、自分の両手で口を塞いだ。


ライト アルマさん!何で?


アルマ そりゃ、護衛だからな。でも、オイラは手出しはしねー。口だけ出すだよ。

んじゃ、スパイダーベアの特徴を説明すんぞ。


口から吐き出す、糸には最深の注意をはらうだよ。あれに包まれたら、お持ち帰りされちまう。オラでも、あの繭を壊すのは大変だ。


マイケル で、どうしたら良いんですか?


アルマ 今回は黒野草を巣窟から頂けば良いんだろ?見つからないように隠れて奴に付いて行くしかないだな。戦いは避けるのが無難だよ


全員は顔を合わせて頷いた。


ララ そーゆー事なら、全員、足を出して。


ララが一人一人の足裏を撫でていき、忍び足の特技を使用した。


ララ これで足音はしなくなったわ。ただ、体に当たる草木に気を付けて。


マイケル へー、ララ、見直した!


と、話しているとスパイダーベアは水を飲み終わり、池にいたスパイクフィッシュとゆう大型の魚を口に加えて歩き出した。


ライト あっ!飛んだ!


スパイダーベアは爪から糸を出し、それに掴まって前に進んだ。


下に降りるとドシン!とゆう音が鳴り響く。


5分後、洞窟らしき場所にたどり着いた。


海人 待ってよー!目印が、雑になっちゃったー(泣)


マイケル 海人、ありがとう♪目印なら大丈夫。雑でも辿れば戻れるよ。アルマさんもいるし!


海人 あ、そだね!うん♪マイケルは優しいよね♪


マイケル これでも、孤児院では小さい子の面倒を見てたからさ。リンダ含めて、たまたま魔王様に拾って貰ったから今があるんだよ

だから、俺達は魔王様の為に強くなるんだ


海人 うん。僕も魔王様に助けて貰ったから頑張る!


そうして、全員が巣窟にたどり着いた。


アルマ みんな、あれが巣窟だ。中には多分、子供がいて、入ったら、守りに入るだよ。

スパイダーベアの厄介なのは目だ。一つに見えるかもだが、左右で目は200あるだ。

200ある目が一つに集合してるから、どこにいてもオラ達は見つかっちまう。


マイケル じゃ、居なくなるまで待ちますか?


アルマ それだと日が暮れちまうだな。


リンダ 素早く取って素早く帰る!は?


アルマ 違うだな。目が良いとゆう事は?


海人 分かった!光りで見えなくしちゃえば!


アルマ んだ。正解だよ。しかし、オラ達は光魔法は使えねーな。


リンダ はい!はい!デバイスのライト機能!


アルマ んだ!やってみるだよ。


そして、静かにスパイダーベアに近づいていき、スパイダーベアの後ろに生えている黒野草を目指した。


リンダが先頭になり、ゆっくり近づいた時、スパイダーベアの耳がピーン!と立った。


リンダ やっば〜(小声)


リンダがゆっくり後ろに下がると、耳はまた垂れ下がった。


リンダ あっぶな〜(小声)


海人 僕、行くよ。


海人が手を上げて皆に提案をした。


マイケル よし、皆でライトの準備をしよう


海人がゆっくり、気づかれないようにスパイダーベアの足の横を通り過ぎていき、黒野草を手にした。


その時!野草を引っこ抜く音がしてしまった。


スパイダーベアの耳が逆立ち、目玉が海人を捉えると大きな口をあけて雄叫びをあげた。


海人 うわー!


海人が、腰を抜かし、その場で身を守ると、隠れていた全員が出てきてデバイスのライトをスパイダーベアの目に当てた。


スパイダーベアの目が眩むと、めちゃくちゃに暴れだし、洞窟の天井が崩れだしてきた。


マイケル みんな、ダッシュで逃げろ〜!


そこで座りながら見守っていたアルマが重い腰をあげた。

(ここは、オラが出て良いよな)


アルマが子供達とスパイダーベアの間に走り立つと肩に大きな斧を召喚し、斧を横にして前に構えた。


アルマ シールダーアックス!


アルマの前に洞窟の穴と同じ大きさの黒い斧が2つクロスして、出現し崩れる洞窟を支えた。


アルマ 今だ!洞窟を出るだよ!


子供達は全力で走り、崩れる洞窟を飛び出した。


アルマ 仕上げだな。


アルマが盾にしていた斧の一つを片手に取り、下から上に放り投げると、斧はブーメランのようになり、突進してくるスパイダーベアの首を吹き飛ばした。


スパイダーベアの首からは緑色の血しぶきが飛び上がり、その場に魔力の霧となって消えた。


アルマ すまねーな。これも食物連鎖だ。おめぇさの子供だけは保護すっからよ。

アルマの身体にスパイダーベアの魔力が吸収された。


そして、アルマが眠っていたスパイダーベアの子供を両手で抱えながら洞窟の瓦礫から出てきた。


アルマはすぐに桃へ連絡を入れ、スパイダーベアの子供を引き取って貰った。


桃 で、黒野草は取れたの?


海人が、ボロボロの黒野草を3本、擦り切れた手で桃に見せた。


握ってたから、ボロボロになっちゃった。

ダメ?だよね?


桃 うん♪合格!

桃は笑顔で全員の頭を撫でた。


桃 アルマっちもお疲れ様!じゃ、アタシは、熊の子を連れて戻るね。


桃が飛び去ると子供達はアルマの所へ集まった。


リンダ アルマさん、凄ーい!


マイケル アルマさんがいなかったら死んでたよね。絶対!


アルマ いんや!お前さんたちの実力だよ。オラが居なくても、きっと逃げ切っただ。


海人 ぼ、僕は多分、死んでたよ。怖くて全然、立てなかったから(泣)


こうしてAチームの初めての黒野草取得は3本とゆう結果になった。
























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