第16話 防衛戦

天使の不気味な動向から4日後の10月17日、埼玉市のパチンコ店に零時達は店員として潜んでいた。


午前10時 開店。


店内にはアナウンスが流れ、客が入店し次々と台の前に座っていった。


午後13時 店は、まだ通常通り営業している。


午後15時 零時が店長に呼ばれた。


店長 ん、で、どうだね?変わりはあったかね?

店長がどこからか呼んだ女で遊びながら、話していた。


んっ♡あん♡


零時 いや、まだだ。とりあえず、お前はそれで遊んでおけ。


店長 一応、敬語を使って欲しいのだが。うん!


ねー♡お金は弾んでくれるのよね?♡


零時 危険を知らせて、店も守るんだ。それに、お前の希望通り、営業はさせてやっている。本来なら、営業は無しにする所をだぞ?

女の分は俺で払う。死んだら払えねーけど笑


女 イヤ!ちゃんと守ってよね♡


その時、床下からゴゴゴゴ~♪とゆう地鳴りが響き、それは突然、現れた。


章典 零時!来たぞ!


零時 全員、客を逃がせ!慎吾、作戦通りに!

スノー、こい!


美羽を中心に資源部隊は客を店外に逃がす事に従事した。


栗栖 皆さん、こっちです!


松本 さぁ、早く!


床の中心が盛り上がり、床下からは伸びた腕が2本、出現した。


茶色に緑のドロッとした物がまとわりついた腕は逃げようとした客を摑むと握り潰しはじめた。


それを章典がソードで斬ろうと振り下ろしたが、弾かれた。


章典 何だ?これ、硬てー!


続いて章典が、その腕にぶっ飛ばされ、店の壁に激突した。


ネイサン 大丈夫か?コイツを使え。


ネイサンが背中に付けていた新しい武器を章典に渡した。


ネイサン 新開発のクリスタルソードだ。切れ味は多分、最高だ。それと、雷魔法のおまけ付きだぜ。


章典 ありがたい!


そこにスノーも現れ、章典に加勢した。


スノー 腕の下にまだ何かいるねー?


スノーが唸り、牙を剥き出しにし、章典の前に立ち体勢を維持した。


その時、別の床下からゾンビの集団が現れた。


そこに零時が来て、スノーに指示を出した。


スノー!コールドブレスで床下を凍らせろ!


スノー OK♪


みるみる床下には氷の塊が出来てゾンビの集団は床下に埋もれていった。


その時、章典が腕らしき物を1本、切り落とした!


グオー!と雄叫びが響くと続いて、床下からは腕の本体が現れ、店は破壊された。


体長 10メートル。背中に腕のような物が10本。それをばたつかせ、少しづつ宙に浮いていく。顔と胴体は半分が腐食し、紫色の液体を口から下に垂れ流し、下にいた魔力の弱い人間を溶かしていった。


零時 ドラゴンか!いや、ゾンビドラゴンだ!


慎吾 零時!下からはゾンビどもも来るぞ!


零時 全員、下に集中!俺はコイツを何とかする!


了解!


そこにドラゴンゾンビの毒毒しいブレスが吐かれた。


零時が魔バリアでそれを包み込み防いだ。


そこへ謎の男が現れ、零時に加勢をした。


謎の男 良いねー!あれとやり合うのはいつ以来か?


零時 ざっと2000年ぶりって所か?


謎の男 だな。昔は良くいたもんだ。だが、俺もこの体だ。どこまでやれるか!


零時と謎の男は武器を呼び出し構えた。


街には泣きじゃくる子供の姿もあり、それを美羽の部隊と桃の部隊が協力して守っていた。


美羽 次、この子をお願い!


桃が美羽に向かってくるゾンビを倒しながら、移動し、クロウが空から美羽とスノーに救助者の位置を指示していた。


零時が魔剣でゾンビドラゴンの攻撃を弾き、謎の男が杖を使い、魔力が上がったサンダーを放った。


零時 レッドアイ!


name ゾンビドラゴン


Lv500

【基本ステータス】

LP 700000/578000

MP 65000/57000

力 80000

耐久力 70000

魔力 650000


零時 こんなのがレジスタンスにいたとは誤算だ。


零時が再び、魔剣でゾンビドラゴンに立ち向かった。

魔剣を黒い炎が包み、ゾンビドラゴンの首元に移動すると、羽のような触角が伸び、零時の腹にめり込んだ!


店長 おーい!助けてくれー!

店長がゾンビドラゴンの足下で助けを呼んでいた。


ライガ オイラが行くよ!


ライガが駿足を使い、足に雷を帯びると店長をくわえて一瞬で、ビルの屋上へと運び、再び、戻り、続いて裸の女をくわえて運んだ。


謎の男がかぶっていた黒いフードを脱ぎ、その姿を見せた。


金髪の若い男が大剣を背中に付け姿を現した。


コール!俺が引きつける!急所を付け!


零時 分かった!


謎の男が大剣を持ち、ゾンビドラゴンの触角の全てを弾きながら戦い、零時が、その間に背中に回り込むと首の後ろに魔剣を突き刺した。


ゾンビドラゴンが唸りを上げて、大口を開けると毒ブレスを再び口元に貯め始めた。


その間、埋もれていたゾンビ達が次々と地上に出てきて、人々に近づいていった。それを章典の部隊と桃の部隊で進行を食い止めていた。


謎の男 ダークネスフレア!

零時 ハイファイヤー!


謎の男と零時は同時に黒と紫の炎を手から出し、ゾンビドラゴンの口元に押し当てると一気に放出し、毒ブレスを逆流させ体内を炎で焼き尽くし、最後はゾンビドラゴンの全てを焼き尽くした。


その頃、スノーが、最後のゾンビの体に噛み付き、足で抑えつけるとスライムのタヤが高く飛び上がり体を膨らませ、ゾンビの頭に落下してゾンビの頭を粉々にし、終わらせた。


スノー タヤ、やったね♪


タヤ わーい♪わーい♪


美羽 ふー。何とか全員、非難させれたわ。


そして、木こりのアルマが怪我人を安全な場所に運び、深山雪がヒーラーで治療をしていった。


深山 怪我をした人はこちらへ!毒を浴びた人はアチラの男性の所へ!


そして毒を浴びたりゾンビに噛まれた重症の人は真田が調剤した薬を飲ませ回復させた。


桃 みんな、お疲れ~!で、アニキ、そのイケメンは?


謎の男 い、イケメンではありません。


零時 そろそろ、良いんじゃないか?ミルバ?


ミルバ 名前を言うな!


タヤ み、ミルバ様なのー!?嘘だー!


それを聞いて旧魔界の一同が集まりだした。


ネイサン まじか?で、でも、その姿?人間だよな?いや、本当なら、こんな話し方はイケネー。


ミルバ あー、もう!コール!お前!


零時 もう、隠す物が無いんだ!仕方ないぞ!


ミルバ あー、そうだよ。俺だよ。コールにだけは言っていたが、俺も転生しちまったんだ。けど、魔法野郎だけは殺したし、勇者野郎にも結構、ダメージは与えたんだからな。どこかの誰かと違ってよ!


零時 あれ、ちょっと怒ってる?実はな、恥ずかしいから隠してくれと頼まれていたんだ笑


ネイサン とすると魔王様は3人やられちまったのか?


ミルバ あー、俺の知る限りはそうだ。残るは北の魔王だけだな。


カルマ じゃ、じゃ、エルフの森は?


ミルバ それは分からん!


慎吾 とりま、帰ってから話そうか?


そして、怪我人の治療を終えると拠点に帰還して、酒場『夜蝶』で祝杯とミルバへ乾杯をした。


光矢 今宵は盛大に楽しんでくれ!披露回復から体力回復の素材を使ったピザと肉、そして特製カクテルを振る舞うぜ♪


かんぱーい♪


零時 では、ミルバちゃん、一言、どうぞ!


ミルバ その、何だ?んーと、隠してて~、ご、ごめんなさい!


全員 笑


ミーナ それで?ミルバ様は、ここに来る前はどこにいたのさ?


ミルバ アメリカにな笑


桃 それだと年齢が変じゃない?アニキは赤ん坊の時から魔王だって言ってたし。


ミルバ 俺は転生した時、この人間の体にいて、天使達の襲撃の最中だった。


零時 つまり、天使に殺された人間に転生したって事だな。


桃 へー!転生の仕方って色々あるんだ~


零時 まー、器になる体に魂を入れるって事に変わりは無い。


スノー あーあ、元魔王ともあろうお方が。


ライガ オイラ、一度だけ、じぃちゃんとミルバ様に会った事があるけど、元から、あんな感じだったよ。


スノー そうなんだ笑 マスターとは違ったタイプだね~♪


光矢 どうだ?美味いか?


ライガ 最高だよ♪このお肉。何肉?


光矢 羊だよ。ワインとトマトベースのソースでじっくり煮込んだからな。隠し味は内緒だ♪


スノー おー、太っ腹♡ハグハグ


【成果】

・ゾンビドラゴン1体とゾンビ100体の討伐に成功。


・研究用にゾンビ2体をパルスティックで捕獲に成功。(魔獣研究所の牢屋の中に収容)


・全員のLVが5づつ上がった。


・零時とミルバに魔王の覇気が半分まで戻った。


【被害】

・死者 20人

負傷者 30人(精神的なケアが必要になった人)

に留めた。


・パチンコ店は破壊されたが、他の建物の倒壊は最小に留めた。


































































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る