1月26日


ポン、ポン、ポン、ポーン

カシュッ

ゴクゴクゴクッ


「あ゛ー。sveidラジオ!」


「みんなー、オッハー。パーソナリティーの悠衣でーす」

「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。詩です」

「お前らの通勤に絶望を添える朝から飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間がやってきました」

「社会人になって初めて、水曜日に有休をとったわけなんだけど」

「昨日な」

「あるじゃない。大企業でさ、週休3日にしたら業務効率上がったって話」

「知らん。働いたことないから」

「ですよねー。まあ、そんな話もあったから、いろいろ込みで休んだんだけど。ツライわね」

「いいじゃん1日休んだんだから。狙い通りだろ」

「違うのよ。1日休んじゃったせいで、体が怠けてるのよ。これなら3連休のほうがよっぽどいいかも」

「でも今日仕事したら、明日は金曜日じゃん。もう週末みたいなもんだろ」

「そうなんだけどー」

「あと今朝疲れてるのは、ぜってーに昨日ヤリすぎたからだって。ずっとセックス三昧だったから」

「だってー、久しぶりにゆっくりあんたとエッチできるんだもん。ドラムも頑張ったし」

「それは素直にすごいわ。ほんとに午前中で仕上げるもんな」

「でしょ。頑張りすぎて仕事に響く」

「それさ、たまに姐さんから聞くけどさ」

「どれ」

「仕事に響くってやつ。何のために仕事してんの。趣味や休日を謳歌するために、いやいや仕事してんだろ。じゃあ、休みを目一杯楽しめたからいいじゃん」

「それは正しいんだけど。こう、体力がない中で仕事をしなきゃいけないっていう枷というか。それがツラいのよ。頑張りたくない仕事だから、体力がない状態でしたくないというか」

「はー。よくわからん!」

「ま、共感してもらえると思ってないからいいわ。私の仲間は、カメラの向こうにたくさんいるからね」

「そんな底辺で集まっても」

「こらー。社会人のこと底辺って言うなー」

「じゃあ、社会の奴隷」

「まあ、それは否定しきれない」

「でも、奴隷って相当底辺だろ。歴史的に見れば」

「ぐっ。あんたに勉強面で負けるのはうざいわね」

「勉強で負けてるわけじゃないと思うがな。ま、今日のメールだ。ヒレカツ。寸又峡すまたきょうという峡谷が静岡県にあるらしいです」

「あら、エッチね」

「姐さんは素股したことあるか?」

「いやー、ないわね。そんなことする必要ないことのほうが多いもの」

「そうか」

「だって、入れたくなければそこまでしてやんないし。入れたければ入れちゃうし」

「まあ、言わんとすることはわかる」

「え、アンタはやったことあんの?」

「ある」

「どう」

「男に言わせると、全然気持ちよくないし、むしろ骨がごつごつ当たるだけで痛いって。焦らしプレイにすらできなかったわ」

「じゃあAVの素股は嘘ってわけだ」

「いや、これも男に聞いたんだけどな。男も姐さんみたいな思考になってるらしいんだ」

「やるならやるしってこと?」

「そういうこと。つまり、素股までしてもらえるくらいなら、ワンチャン入れれるって思うわけらしい。ようは、暗に入れてもいいって聞いてるようなもんなんだと」

「はー。男も大変ね。直接聞けばいいのに」

「それはまた違うらしい。風情がないんだと」

「セックスに風情もくそもないけどね」

「でも雰囲気は大事だろ?」

「そりゃ大事だけど」

「そういうこった。よーし、そろそろ締めるぞ。」

「あら、もうそんな時間。えっと。あー、まずは『magicaride』のカバーを投稿してあります。聞いてね」

「死んでも聞け」

「あと、明後日? 違う。明々後日だ。日曜日に次のカバー出します。必死すぎて限界。ちょっとペース落とさないと厳しくない?」

「ダメだ。最初に会議で決めたからな。オリジナル曲を出すなら別だろうけどな」

「ん-。しばらくはこれで我慢か。次のカバーはみんな大好き、あのアニメのカバーです」

「オタクども。今のうちに耳掃除しとけ」

「あとは、メールフォームあるので、メールください」

「NGなしだ。何でも来い」

「じゃあ、今日の1句。だいぶ有名な人がようやく出てきたわ。高浜たかはま虚子きょしの1句」

「いや知らんけども」

「あら、一般的にはちょっと知られ切ってないのかしら。ま、いいわ。高浜虚子の1句ね。口にそであてゆく人冬めける。口に袖あてゝゆく人冬めける」

「じゃあなー」

「行ってきます」



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