1月11日
ポン、ポン、ポン、ポーン
カシュッ
ゴクゴクゴクッ
「あ゛ー。sveidラジオ!」
「みんなー、オッハー。パーソナリティーの悠衣でーす」
「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。詩です」
「お前らの通勤に絶望を添える朝から飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間がやってきました」
「週の真ん中水曜日。月曜日が祝日だったとはいえ、あと2回もこれがあると思うとツラいわね」
「あ、そうか。月曜日は成人の日だったか。新成人おめでとう!」
「おめでと」
「じゃあ今日から酒もたばこも解禁か。よかったな、お前ら」
「まず、そんな年齢の人はこのラジオ聞かないと思うし、あと飲酒喫煙は20歳からよ」
「は。なんだそれ。成人したんだろ?」
「健康面を考えて考慮されたそうよ」
「そんなのクソだろうが」
「ま、あまり大きな声じゃ言えないけど。吸ったり飲んだりする人は一々18歳とか20歳とか気にしないと思うけどね」
「ま、私はどっちも20歳超えてからだけどな」
「あら、意外」
「そういう姐さんは?」
「ノーコメントよ」
「ここでのノーコメントは、暗に認めてるようなもんだろ」
「ま、想像にお任せするわ。ミステリアスな女を目指してるから」
「遅いだろ」
「いいのよ。で、なによこれ」
「読んで」
「今日の下着は何色と何色ー。これってさ南海キャンディーズの」
「さ、これから毎日ブラとショーツの色を公開していこうと思うぞ。でも、ただで答えてもらうわけにもいくまい」
「違うのね。まあ別に色言うだけでしょ。何でもいいわよ」
「それじゃあハラハラドキドキが足りないだろ! じゃんけん一回勝負で負けた方が発表だ。あいこだったらどっちも言わない」
「なるほど」
「そして視聴者を喜ばせるために、少しでいいから嫌がるそぶりを見せろ」
「はあ」
「いくぞー。じゃんけんぽん。あいこかーい!」
「初日からあいこだなんて、先が思いやられるわね。もうサムネにコーナー名書いて釣るしかないわね」
「じゃんけんに負けたら下着の色公開! って?」
「危なかったー。上下で色が違うのばれるとこだったー」
「うわ、姐さん。釣るのうまいな」
「ま、だてにあんたらよりアングラに長くいないわよ。VIPに女神スレがたってたあのころからよ」
「知らないけど」
「伝わると思ってないからいいわ」
「そういえば言ってなかったけど」
「なにかしら」
「アーカイブの朝ラジオが何回か再生された形跡があったぞ」
「あら、それはありがたいわね」
「しかし、視聴者数は0。これいかに」
「明日には下着目当てで1人くらい来るんじゃない?」
「だといいけどな。目標は、今月中に視聴者10人だ」
「随分と消極的ね」
「目標が大きすぎると届かなくて挫折するからな」
「あんたみたいなキャラがそういう建設的なこと言うとキモいわね」
「姐さんに相談なんだけどさ」
「相談って怖いわね」
「私は顔出してもいいと思ってるわけ」
「言ってたわね。私は出さないわよ」
「それは知ってるけども。だから、もうサムネのまま喋るのも面白くないから、普通のラジオ番組みたいにブース化してそこを映すのとかどうかと思って」
「私は」
「カメラと姐さんの間に
「まあ、いいけど」
「じゃ、決まりね。明日の放送から変わるぞ」
「私が仕事行ってる間に工事が始まるわけね」
「机と、小道具にマイクを置くくらいだけどな」
「あと、三脚的なやつね」
「乗り気だねー」
「やるからには本気で。これが私のモットーよ」
「オッケー。じゃ、今日はこの辺か」
「はいはい。締めるわよ。まず宣伝ね。1月15日の日曜日にカバー曲を投稿するから聞いてね」
「絶対聞けよ」
「あと、メールフォームあります。概要欄のリンクからどうぞ」
「NGなしだ! 何でも来い! あと、私と遊んでくれる女の子募集中だ。何でもいいから連絡くれ」
「相変わらずね。連絡はあった?」
「ないからこうして毎日呼びかけてるんだろ」
「難儀ね」
「じゃ、最後に姐さんからの教養だ」
「今日の1句ね。
「また明日ー」
「行ってきまーす」
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