突然の告白とお付き合い?
「優希、大丈夫? 」
彼女が心配して近づき声をかけてくる。
もう少し落ち着かないと変なことをしそうでリビングまで逃げようとした。
でも、もしかしたら柚を傷つけてしまうかもしれないと思うと怖くなる。
だからここで逃げるのはよくない。
逃げそうになるのを何とか我慢して彼女のほうを向く。
「ごめん、柚の破壊力がすごすぎてやられてた・・・・・・」
正直にそう伝えると彼女は照れを隠すように僕から目をそらす。
なにか言っているのか唇が動くが何と言っているのかわからない。
何とか聞き取るために一歩近づく。
一歩程度ではまだ聞き取れずもう一歩近づいた。
その瞬間彼女はベットに逃げ威嚇してくる。
意味が分からず僕はつい笑ってしまう。
そんな僕を見て彼女も笑い、ベットから降りる。
これでいつも通りに戻ったとそう思ったのが僕の間違い。
彼女が発した言葉に困惑することになる。
「ねぇ、優希。私たち本当に付き合わない? 」
彼女の言葉を理解するのに数秒かかる。
何を言っているのか本当にわからない。
付き合っているふりなのであればわかる。
頭の中でまとまらず何かを言おうとしても言葉が出てこない。
その間、柚は恥ずかしそうに下を向いて黙っている。
彼女のそのしぐさで本気だとわかってしまう。
そう知ってしまったからには冗談で答えるわけにはいかない。
ちゃんと考えて答えるためには時間が足りないがここで答えるべきだ。
いったん数分だけ考える時間が欲しい。
そこで、彼女に一応伝えることにした。
「柚、数分時間もらっていい?ちゃんと考えたいから」
彼女が頷くのを確認してから考える時間にする。
こういう時は一つずつ考えていく方がいい。
柚と付き合ったらどうなるかを考えることにしていい部分と悪い部分をそれぞれ考えることにした。
まずは現状の関係とそうなった後の関係を考えてみようと思う。
いまの僕と柚の関係は幼馴染であるのと同時に協力関係ではある。
付き合うことでその関係は幼馴染で恋人というものに変わっていく。
そうなると協力する必要はなくなる。
それはそれでいいのかもしれない。
彼女と付き合うことでいい点は、お互いのことを知っていることもあり居心地のいい相手であるということがまず思いつく。
次に、彼女のことがもちろん大好きだというのも理由の一つになる。
仮に悪い点があるとすればそれはお互いの好きな人をあきらめることになるということ。
そうなるといままでしようとしてきたことを全否定することになる。
それはどこか悲しくなりいやだと思ってしまう。
いま思いつくのはこのくらいなのでこれをもとに考えることにする。
数分黙って考え何とか答えを出す。
僕が出した答えは彼女の告白を受けることにした。
でも、僕は鈴のことをあきらめない。
柚には悪いが利用させてもらうことにする。
彼らがしていることと同じ状況になることでより親しい関係性になれるかもしれない。
覚悟を決めて柚に答えを伝える。
「柚、僕の彼女になってくれる? 」
彼女は頷き、僕の手を取る。
こうして僕と柚は付き合うことになった。
後悔から始まる幼馴染との共戦協定 月影 紡 @tukikagetumugu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。後悔から始まる幼馴染との共戦協定の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます