放課後

「初めまして真斗君。高峯凛です。」

彼女は僕を見ながらにこやかに笑って言った。

「は..初めまして、高峯さん。何か用かな?」

急に話しかけられたからか変な話し方になってしまった。やばいキモイと思われる...

てか初対面で名前呼びって家族以外に初めて呼ばれたぞ。

「ちょっと真斗君の事が気になってね。」

おいおいどういうことだ気になったって初対面でそんな事あるのか、俺に耐性が無いだけか。

「気になったってどういう...」

するとうふふと声を出し笑いながら彼女は

「何を想像したの?」

と僕をからかいながら彼女は言った。

「冗談だよ。友達になりたくて。」

彼女のその一言がどれほど僕を感動させたか。

「私の目標はこの学校の人皆と友達になる事なの。だから真斗君私の目標の第一歩になってくれない?」

正直彼女の話を聞いていられないぐらい心臓の鼓動が速くなっていた。

友達はおろか話し相手すら居なかった僕に今初めての友達が出来そうです。

しかも一番最初の友達なんて...

「僕なんかが最初で良いなら...」

彼女はにこにこと笑いながら

「ありがとう。明日からよろしくね真斗君。」

退屈でなんの楽しみもない僕の学校生活に光が刺したような気がした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る