第12話 上村 友貴乃
この調子で睦希に会うエピソードになったらよかったのに。そうはいかなかった。
夏手前のこの時期に体育祭が行われる。体育祭といえば、運動神経が良い人限定の催事だ。僕は運動神経が抜群に良いわけではない。なので積極的な参加の役割は他に譲って、教室で休む。僕の学校の体育祭は学校のいたる施設(主に体育館と校庭)で行われるため、それぞれの担当競技さえ、場所に行ってこなせばあとは自由なのだ。クラスに一人、青のクラスTシャツがぽつんといる。それだって立派な体育祭の参加である。
アニメを見ようか、勉強しようか悩んでいると赤いクラスTシャツの子が僕の隣に来た。彼女は
「どうした?結花と睦希は?」
気さくに話しかけた。
「競技に行った。私はもう終わって一人なの。」
「そっか」
彼女はトークテーマがあるわけではないようだ。僕が話をつづけたほうが良いのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます