第10話 遠矢 睦希 その3

 カラオケに行った帰り


「遠矢、好きな人のタイプはなに?」

 恋愛感情がお互いないという確認が必要だと思った。何回も2人で遊びに行っているものだから、言わなくても分かり合えてると思っていた。でも聞いてみた。


「えー、○○かなー」

 そうだ。そうやって二次元のキャラに逃げる。

「料理ができて、ちゃんと人を見てくれるからさー」

 僕は好きな人のタイプで推しのことを話し始める人は脈なしだと思っている。


 その日、脈なしだよねと思えたら世界はどうなっていたのだろう。


「・・・でも現実はそんな人いないからねー。優しくて、オタクの話を理解してくれて、いろんな人に気が回せる人かな。・・・そんな人が横にいたら楽しいよね。」



 睦希は僕のことが好きなのかもしれない。

 この一日はまだ続きそうだ。


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