第8話 音楽部の女子

さてもう高1の冬に差し掛かってきた。

文化部の勉強への圧力は強いようで、もう1年の中から部長を選ばなくてはいけなくなった。


結果から言えば僕が部長になった。理由はバンド決めの時に僕が仕切っていたから。

バンドを女子と組むために話を回していたつけがここで帰ってくる。委員長を中学でも務めていたからいいことにしよう。


人間不思議なもので、部長になってみると今までなかった責任感が出てくる。


「同じ学年のつながり弱いな」

音楽部の同じバンドは仲良さそうだけれど、ほかのバンドの人と話したことなかったことに気づく。


自分のコミュニケーション能力に鞭打って音楽部の部員に話しかけよう。



「最近どう?」

真砂 英里が話しかけてくる。この人は自分の中で例外だ。何せそこそこ話している。


僕は音楽部のつながりの弱さについて彼女に話す。


「確かにそうかもしれない。」

「集まる機会ないし、なんかパーティーでもあったらいいのにね」


彼女の指摘にハッとする。集まる機会を作ろう。



と思ったが、部長決めの時に集まったな。僕以外誰も話していなかった。

それは僕が部長になるに決まっているなと当時を思い出す。


これは前途多難かもしれない。


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