第3話 ゆがむ好み

 もともと「かわいいイケメン」が好きだった。僕の彼女を取っていったイケメンも「かわいいイケメン」だった。ちょっかいを出しすぎて嫌われた。


 つまり二次元アイドルモノにはまった。そういうこと。まさか徹夜で一気見するとは思わなかった。というか最近のアイドルが背景事情が重すぎる。過去がすごくやばい。だからこそ幸せになってほしい。存在してほしい。


 いわゆる「推しがいる」というのが理解できるようになった。

 同じバンドの女子2人と話がそれはそれは盛り上がった。

 僕とこの2人の3人で近くのアニメイトによく行くようになった。正直この2人に熱量は圧倒的に負けるけれど、話を聞いているのはとても楽しい。


 ピクシブというツールがあることを教えてもらった。自分の知っているアニメの二次創作がいっぱいある。とっても楽しい。


 某野球漫画の絵を見ていると、かわいい男の子と男の子が身長差キスをしていた。

 これをBLと人は呼ぶらしい。



 それから僕はBLを嗜む、通称腐男子となった。聞けば寺沢 結花てらさわ ゆかさんは腐女子、遠矢 睦希とうや むつきさんは夢女子らしい。世界が広がるとはこのことかと実感する。


 腐男子について調べてみる。かなり稀有な存在であることには間違いないようだ。

 とあるサイトには腐男子になるきっかけの例が挙げられていた。


 1,少女漫画が好きだったり、百合作品好きなオタク男性がいつしかBLも読むようになる例。

 2,男の娘・ショタ好きの延長線上で腐男子化する例。

 3,腐女子な姉妹や友人の影響、ひいては母親の影響で腐男子化する例。

 

 すべて当てはまっていた。なるべくしてなったのかもしれない。

 思えば、僕は少年漫画より少女漫画のほうが好きで、母親は僕を連れて某フィギュアスケートアニメのイベントに行っていた。文化祭、体育祭で友達の男子を女装させていた。


 土壌は形成されていた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る