第4話 遠矢 睦希

「ねえ、このアニメのコラボカフェが開催するんだって、一緒に行こうよ!」


「アニメイト行く予定あるからついでに行こう!」


「お願いだから私の推し、10連ガチャで出して!」


遠矢 睦希とうや むつきが僕に話しかける。

1年生の秋を過ぎたころから、2週間から3週間に1回は彼女と2人で遊びに行っている。きっかけは、はっきり覚えていない。寺沢 結花てらさわ ゆかが学校休みの時に彼女と二人で出かけたのかなと思ったり思わなかったり。


「推しが出なかった~。ありがとう!」


「このキャラなんだけどさ・・・」


遠矢 睦希とうや むつきと一緒にいると心地良いと感じるようになる。

彼女とはいわゆる二次元オタクという点以外でも価値観が合っていた。休みの使い方は、お互いインドアで1人の時間が好き。お金の使い方がほとんど一緒。


この人と遊ぶ機会がずっとあったらいいなと思わせてくれる。


「・・・? どうしたの、ボーとして」


「ああ・・ごめん。ちょっと考え事。」

いつもこうやって、ゆったりとしてしまう自分をごまかす。こんなことなかなかないな。


「そういえば、来週結花と二人で出かけるんだけどさ、あの言ってたコラボカフェなんだけど、、、」


「あ、そうなんだ。」

陸希のリアクションが悪くなる。この人は3次元と2次元の話で受け答えが違う。確実に3次元の話をしているときのほうがトーンが低い。2次元の話を楽しそうに話している反動なのか・・・?


平常運転だなと思って、話を続ける。これも彼女の良いところと思う。

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