第96話 ルブスト 08
メイテと二人、静かに時が過ぎる。
「メイテ、偶然だけど俺たちの敵は同じだった。これからのことを決めたいんだけど」
「そうね…… 私はあなたに従います」
「ああ、ありがとう。じゃあ早速なんだけど、俺達は組織の場所を探るべきだと思う。奴らの狙いはわからないけど、きっとあいつらが関わっている。それに…… このままだと、この国は大変なことになる」
「ええ、私も同感です。あの時のゾステファノスはまるで魔物の王のようだった。 あれだけの力があればなんでもできるでしょうから」
「うん。だから俺達がまずやる事は、敵の組織の場所を突き止めることだと思うんだ。そしてその組織を壊滅させないと……」
「でも、どうやって? 闇雲に探しても無駄かもしれないし、なにより時間がかかりすぎてしまう。それに…… 相手は人間じゃない。もし見つけても倒せるかどうか……」
「大丈夫。そこは考えてる。ライマンが言ってただろ、好きに動けって。俺たちが動けば情報ギルドからの情報が入る。そこから得た最新の情報を集めていけば場所はわかるはずだ。そして俺たちが向かうのは…… 元王都エルファだ」
「えっ!? ちょっと待って。どうして元王都なの? 確かにあそこの情報網は大きいけれど…… でも、私たちだけで乗り込むなんて危険だわ」
「ああ、その通りだ。だから仲間を集める。それも少数精鋭で、そして強い奴らを。 それで新王都レムサに向かう。もちろん一人じゃない。メイテ、君も一緒に来てほしい。これは俺からのお願いだ。そしてそのあとのことはそれから考えればいい」
「ノア……わかったわ。行きましょう。私も覚悟を決める。あなたの力になるわ!」
「ありがとう。メイテ、これからよろしく頼む。ただ、その前にこの街の教会組織を潰しておきたいな」
「え? 教会組織?」
「ああ、今回の件には間違いなく教会の影がある。おそらくゾステファノスもだが… 教会の影響力は国全土に及ぶ。ここで対立したのが俺たちだとばれるとそこからは国中に追手がいる状況になる。なので俺たちが表に出ないやり方にしなければいけない」
「ノア、どういうこと?」
「俺の考えが正しければ、奴らは教会を通じて人々に魔獣化の力を与えている。今はまだそれを住民に伝えるには早すぎる。だが、教会に疑念を抱いている人たちもいるはずだ。 まずはその人たちとコンタクトを取ろうと思う」
俺はメイテに今後の計画を伝えた。
その後すぐにライマンに聞いたこの街の店を目指す。
その店の名は、ダリオ商会。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます