第82話 ストビー 05
兵士達は、クロード王の死や仲間の死に呆然と立ち尽くしている者が多いようだ。
そんな中元クロード王だった黒いモヤの騎士が動き始める。ゆっくりとした動作で剣を構える。その構えは隙がないように見えた。
しかし、バルバロッサが手を前に出し、 静止させるような仕草をした。
そして、何か指示を出している。
おそらく、部下に撤退の指示を出したのであろう。
すると、黒いモヤの騎士が叫ぶ
グオオオオォォォォ!!!!
そして、一気に走り出す。凄まじいスピードだ! そのままの勢いで、周りの兵士たちに斬りかかる。
ガキンッ!!
金属音が響き渡る。その一撃で数人の兵士が倒れていく。
その攻撃で兵士は完全にパニックになった。
悲鳴をあげながら逃げ惑う。
その時、黒いモヤの騎士は、とどまることなく攻撃を仕掛けた。鋭い突きの攻撃が続く。
その攻撃により何人もの兵士の命を奪っていく。
圧倒的な強さであった。
あっという間に半分近く減っていた。
そして、黒い服を着た女が現れた。カーミラだ。
彼女は、部下たちに指示を出す。
カーミラの部下たちは的確に動いて、残った兵士たちを倒していく。
そして、数分後、その場は静寂に包まれていた。
カーミラは満足そうな表情をしている。
バルバロッサはその光景を見ながらカーミラに問いかける。
その口調は冷静であった。
少し笑みを浮かべながら
「これでよろしかったでしょうか? 我が王よ」
「えぇ、完璧です。さすがですね」
カーミラは微笑んでいる。
「ありがたき幸せ」
バルバロッサは深々と頭を下げている。バルバロッサは深々と頭を下げている。
カーミラは、バルバロッサを見て優しく微笑む。
クロード王が殺されて混乱状態になっていた兵士達はほぼ動けなくなっている。
そして、バルバロッサ達に対して恐怖心を抱いている。
バルバロッサの強さを目の当たりにしたためか、逃げる事もできないでいる。
クロード王を殺したという事実もあるため、迂闊に動くことも出来ない。カーミラが口を開く。
その口調は冷たい感じがした。
バルバロッサがそれに反応する。
その表情は真剣である。
クロード王を殺した時から表情が変わっていた。
カーミラの視線が、逃げ惑う兵士たちに向けられる。
「私達の邪魔をする者は許さない」
そう言うと、カーミラは右手を上げる。
それを見たバルバロッサは、魔物たちに向かって叫んだ。
「蹂躙せよ!!」
クロード王だった騎士も含め、魔物達が一斉に兵士たちに襲い掛かる。
しばらくして
「行きましょう、バルバロッサ」
「はい、我が王よ」
そう言うと王都に向け歩き始めた。
その後、王国はクロード王の戦死を宣言。妃であるカーミラを王として認める。
未だ王国は魔物が跋扈し、かつての安寧な日々は失われていく。各領では自領を守るため他領との交流は減り、経済も回らなくなり衰退していく。王国民誰もがこのまま王国がどうなっていくのか不安に思いつつ時間だけが過ぎていく。
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お読みいただきありがとうございます。
3章終了となります。
4章ではノアの力になってくれる人たちが登場していきます。
お付き合いいただけると幸いです。
面白そう! と思ったら★や❤、コメントをいただけると頑張れます!!
引き続きよろしくお願いします!!
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