第20話

家に帰って、2人で、ボクの部屋で、夜、部屋にずっと存在してくれていた霊のお方にも、結婚の報告をした。霊のお方も、なんとなく、めっちゃ喜んでくれているような雰囲気を感じた。

次の日、2人で、高校の近くの伊勢寺に行ってみた。着いたら、それまで快晴だったのに、細かいきれいな雨がフワーッと降ってきたと思ったら、すぐピタッとやんで、また快晴になった。風は吹いてないのに草木がサワサワ揺れだして、草木の中から、可愛い丸いボールが転がってきて、香絵ちゃんは、そのボールを拾い上げて、「はいっ!」って言って、草むらに投げ返した。平安時代のボールのような感じだった。2羽の可愛い鳥が、2人の足元に飛んで来て、しばらくいっしょに歩いてた。

伊勢さんの句の書かれた石碑を見てから、木陰で2人で抱き合ってキスした。


香絵ちゃんと、2人で暮らしはじめた。ボクの家からも、それほど遠くないところで。

もうすぐ3人になる。

ショートパンツにタンクトップにサンダルをはいてた高校生の頃もたまに想い出す。いや、夏には今でも、同じ格好だから、たぶんまわりからは女の子どうしのように見えてるんだろうなあ。ボクと香絵ちゃんって。きっと。

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女の子みたいな体のボクには女の子みたいなえっちしかできない。 ヤッキムン @yakkimn

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