第12話

高2で、修学旅行で富士登山に行った。5号目まではバスで行って、そこから頂上まで歩いて登山した。香絵ちゃんといっしょに手をつないで仲良く登って行った。

かなり登ったところに大きな鳥居が立ってた。その鳥居をくぐって頂上付近に行ったら、急に濃い白い霧がフワーッと、あたり一面を包み込んで、まわりの景色も、まわりの人々も、何もかも真っ白い霧に消されてしまって、手をつないでた香絵ちゃんの他には何も見えなくなってしまった。香絵ちゃんはボクのそばにぴったりくっついてて、真っ白い霧の中に、香絵ちゃんだけ、はっきり見てとれた。その香絵ちゃんの姿が、なんだか、めっちゃ幻想的だった。富士山が2人に対して、「よく、ここまで来てくれましたね!」って言って、登って来たことを喜んで歓迎してくれてるようだった。

そんな優しくあたたかく歓迎してくれてるような富士登山の記念にと、香絵ちゃんと当然のことのように、ごく自然にキスをした。富士山が2人にキスさせてくれてるような感じだった。それから2人で、霧の中で、しばらくギュッと抱き合っていた。そして、霧の中で、ボクはどうしても、香絵ちゃんの可愛いおっぱいにさわりたくなってきて、香絵ちゃんに、「おっぱい、さわってもいい?」って聞いてみたら、いつもみたいに「いいよっ!」って言ってくれたから、優しく香絵ちゃんのおっぱいを登山服の上から、さわってみた。

そしたら、そのさわった瞬間に、富士山がそれを見て笑ってくれたかのように、急に、フワーッて霧も晴れていって、またもとの景色に戻っていった。まわりのみんなや、景色もまた、元通りに見えてきて、みんなワーワーきゃーきゃー騒ぎながら、富士山を降りていってた。ボクも、香絵ちゃんと手をしっかりつないで、富士山の頂上をあとにした。富士山がボクと香絵ちゃんに対して、「いつまでも仲良く手をつないでいてね~!」って言ってくれてるようだった。たぶん、今日、いっしょに登って来たみんなに対して、富士山は何かしらメッセージを伝えていたのかもしれない。

富士山を降りて、宿泊先で、ボクは香絵ちゃんといっしょに、富士山の絵を描いた。富士山の裾野まで、きれいに見える宿泊先だったから、富士山のきれいな姿を見ながら、2人で富士山の絵を描いた。富士山も絵のモデルになりながら、「ありがとうね~」って2人に言ってくれてる感じだった。たぶん富士山は今日いっしょに登ったみんなに対して、同じように言ってくれてるのかもしれない。

お土産に、富士五湖のマリモを買って帰った。緑の丸くて可愛らしいマリモだ。

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