第11話

家の、自分の勉強部屋に存在しているように思われる、たぶん女流画家さんか何かしらの霊は、自分の描く絵をいつも見てくれているし、そのおかげで、めっちゃうまく描ける。

寝てると、その女流画家だと思う霊さんに、毎晩、ふとんの上から圧をかけられつつ、どうやら「芸術に対して、もっと広がるような、高い意識を持ちなさい」と、常に説かれてる気になる。直接は、言葉で自分に言ってるわけではないけど、そんなふうに自分に伝えたいんだろうなあ~っていうように感じてる。自分が、どうも、その女流画家さんの弟子か何か、そういった関係であるように思える。

家では、女子の裸体をよく描いている。写真を見て描いたり、想像で描いたりしているけれど、どの絵も、霊さんがしっかり、いつも見てくれてる気する。自分も描くの好きだけど、もしかしたら、霊さんも好きなのかもしれない。なんか、そんな気になってしまうのだ。


高2の文化祭では、クラスで映画を撮影することになった。クラスで文章書くの好きな子がオリジナルな脚本を書いて、宇宙人と地球人との恋のストーリーらしい。主演の2人とも、あまりいつもは高校には来ていない感じで、たぶん普段は高校生でありながら、すでに大阪の真ん中の辺で、芸能活動をやってるみたいな2人だ。同じクラスなので、文化祭で製作する映画には参加して協力してくれるみたいなのだ。

ボクと香絵ちゃんも、小道具を作ったり、セットを作ったり、映画撮影にも参加して、毎日、放課後、クラスのみんなといっしょになって、文化祭のための映画作りをやっている。夏休みにもかかるみたいで、結局、夏休みになっても学校に行って、クラスの映画撮影に協力している。


撮影も全て終わり、あとは、声を映像に合わせて、入れ直す部分があって、ボクも映像見ながら、役になりきって、声を吹き込む作業をしていった。

そして、完成した映画を文化祭で上映して、ボクも、その日、上映係りを担当して、当日、1日、ずっと視聴覚室にいて、みんなの反応を見ながら、何回か上映していった。主演の2人とも、さすがに普段、芸能活動をやってるだけあって、人を惹き付けるだけの魅力を持っているから、演技もうまく、見てる人にも感動を与えられる映画に仕上がっていて、文化祭に来てくれた観客にも大好評で良かった。脚本も、高校生を主人公にして高校を舞台にした良き脚本となってて、うちの高校生も、みんなそれぞれ、色んな才能を持ってるんだなあって、あらためて思えた。

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