第8話

高1の夏休みも終わって、また高校での生活も始まった。高校では、まわりのみんな、自分のことを女子として考えてくれていて、体育の着替えなども、自然と自分は女子のほうで行うので良しとしてくれてた。プールでの体育の水泳の授業の時にも、女子のほうで着替えをすればよい、っていうふうに、まわりのみんなのほうが考えてくれていたから良かった。

だから、ごく自然に、女子といっしょに行動してる。


秋になって、高1の文化祭で、クラスとして何をやるか話し合いをしてて、「風神雷神図をみんなで、教室の壁いっぱいの大きな紙に模写して、それを展示したい!」っていうことを最初に挙手して発言する子がいて、結局、その最初の案を採用することになった。

文化祭前日まで、みんなで好きな時を見計らって、ひとりひとり描きたいところを描いていくことになった。

ボクも、放課後に、ちょっとづつ、筆に絵の具をつけて、描きたい部分に手を加えていって、絵の完成していくのを手伝っていった。


美術部としても、文化祭での展示に向けて、自分の絵を描きはじめた。美術部では、香絵ちゃんていう同級生と仲良くなって、放課後いっしょに美術室で絵を毎日、描いている。

帰りは、いっしょに帰って、木陰に行って、必ずキスしてから帰る。


香絵ちゃんは、日曜日とかにはボクの家に遊びに来てくれて、部屋でいっしょに絵を描いている。香絵ちゃんは、ボクの部屋に来ると、なぜだか、めっちゃ落ち着くって、いつも言ってくれている。落ち着けるし、めっちゃ絵も、うまく描ける気になってくるって言ってる。

実際に、香絵ちゃんはボクの部屋に来て、絵を描いてると、なんだか、本当の画家みたいに、何枚も、きれいな絵を描いている。可愛いキャラクターの絵も、風景画も、静物画も、何を描いても、めっちゃうまい。

香絵ちゃんは、この部屋に来ると、いつも、何か、芸術家のような霊に導かれて描いてて、描いてる時も見守られてるような気するって言ってる。


いっしょに2人で描いてると、ボクも、だんだんと香絵ちゃんのことを日に日に好きになっていってるような気になってきている。確かに、そんな2人のことを誰かに見守られているような感じになってくる。香絵ちゃんのことを、同じ美術好きな仲間として、日に日に、いとおしく思えてくる。愛情豊かな誰かに見守られているような感覚になってくる。

だから描き終えると、必ず香絵ちゃんと抱き合って、優しくキスする日課となっている。

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