第2話 召喚前日
「陛下……先日は本当に申し訳ありませんでした」
部下が帝王の前で跪き、頭を下げて謝った。
「なぁ? お主、空気読めなさすぎじゃないかのぅ?」
帝王は川屋で大きい方をしていた。出そうにも扉の前に人がいると思うと臀部に力を込めることができなかった。
「そこで陛下には良いお知らせをしたく、馳せ参じました」
「ほう? 聞こうかのぉ。 あとすまんが川屋の外に一回出るが良いと思うぞ」
「異世界の者を召喚する準備が整いました!」
部下は帝王の有無も聞かずに話し出す。
「次の召喚術式は以前よりも改良されております! より高い能力を持っている者を召喚可能でございます!」
部下は所々裏声になりつつ意気揚々に話した。
「次の能力者はどのような者にしますか?」
「そうじゃのぅ。 君みたいに変なやつじゃなく、生真面目で城のために何年も尽くしてきた、決してわしの言うことを遮らないような者がいいのぅ」
帝王は早口で即答する。我慢の限界なのだ。
「承りました! それでは城のために長年も尽くした生真面目な異世界者を召喚して参ります!」
「ま、待つのじゃ。 今は丑三つ時じゃ、明日の昼にしよう」
「陛下! 即断実行してこそ、人類のためでございます、では!」
部下は帝王の話を聞かず、川屋を飛び出して行った。
「……あやつが次わしの話聞かなかったらどっかの島に流そうかのぅ……」
やっと用を足し終えた帝王は自室に戻り寝床につくのだった。
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