謎解きはバズーカを撃つ前に
一初ゆずこ
1 白昼夢の名探偵
この現実が、本当に
木製の扉に
カラン、とグラスに沈む氷のようなベルが鳴り、店内の視線が一瞬だけ僕に集まった。水色を
一人は
「奇遇ですね、
「どうして
「寝坊しちゃって、置いていかれました。急いで追いかける途中で、この喫茶店の前を通りかかったら、窓から先輩が見えたので……」
「息が上がってるくせに、ゴールを間違えてるわよ。こんな所で油を売ってないで、早くみんなの所へ行ったほうがいいんじゃない?」
「僕は出演しませんから、いてもいなくても、どっちでもいいんです。それに、名探偵には助手が必要でしょう?
「ふざけてないで、本当の理由を言いなさい。君はどうしてここにいるの?」
お決まりの軽口を叩いただけなのに、普段よりも強めに言い返された。しょぼくれた僕は「お腹が痛かったので、宿で休んでいました……」と
「白昼夢カレーを一つ」
「あ、僕も同じものをお願いします」
「お腹が痛いんじゃなかったの?
「平気です。胃の具合と空腹は別問題なので」
「ふうん」
静乃先輩は
「静乃先輩は、撮影を見学に行かないんですか?」
「行かない。来月の文化祭で、出来上がりを上映するもの。
そう
青い海と空を分かつ水平線と、
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