第10話 最初の相手は子どもお爺さん
ラブホテルって初めて入ったんですけど、なんか陰気な場所ですね。女性ウケを狙って、外観やエントランスはおしゃれで可愛かったりするんですけど、昼間だったからかもしれませんけど、日差しが差し込んでいる場所がなんか逆に埃っぽく感じて、「空気悪いな」と感じました。で「301号室に行って」と言われていたので、エレベーターに乗って3階に行き、301号室のドアの前に経ちました。心臓が口から出そうになるくらい緊張していたので、努力して心を落ち着かせました。
「もう戻れないのよ」
そう自分に言い聞かせて、チャイムのボタンを押しました。
少し間をおいて、防音のためであろう、重い鉄の扉が開きました。
とても驚いたことに、そこに立っていたのは80歳過ぎで、身長150センチくらいのヨボヨボのお爺さんでした。ポロシャツにチェック柄のカーディガン、グレーのスラックスとよく見るファッションでしたが、そのひとつ一つが、手入れが行き届いていて、高級品の風格を漂わせていました。
そんなお爺さんがニコニコと、ちょっと古い例えかもしれませんが、「水戸黄門」みたいな満面の笑みで、私を迎え入れてくれました。
「まさみです、今日はよろしくお願いします」
私が挨拶すると、お爺さんはニコニコしながら、ペコリと頭を下げた。藤井代表の情報に依ると、凄いお金持ちらしい。昔は財産に物を言わせて、街で見かけた可愛い子をナンパして遊んでいたそうだが、ある日ヤクザの彼女に手を出して、酷い目にあって。それ以来、知り合いの藤井代表の”お店”で遊ぶようになったのだそうだ。
そんなお金持ちなのに、全然、偉ぶった感じがなく、見た目はホントに可愛らしいお爺さん。若い女の子にも好かれるタイプではないかと思う。もちろん藤井代表が言っていた通り強烈な老人臭は漂っているけれど。
「お話ししますか。それとも、すぐにお風呂に入りますか」
私は教えられた手順に従って、そうきいてみた。
お爺さんは、「わーい、お風呂に入る」
普段からこういう感じなのか、ラブホテルで女性とふたりきりだからテンションが上がっているからなのか、妙な”赤ちゃんコトバ”で返事が返ってきた。私はそれまでは、”ガチガチ”に緊張していたのだけれども、なんとなくこのお爺さんなら、乱暴なことはしなさそうで、安心できた。
お爺さんの横で膝立ちになり、服を脱ぐのを手伝った。お爺さんがジャケットを脱いだらハンガーにかけ、ポロシャツの首のボタンが固くて外しにくそうだったので、そっと後ろに回って外してあげて、やっぱり固そうなベルトのバックルも緩めてあげる。そうしているうちに、お爺さんがだんだん興奮してきて、息遣いが荒くなってくるのを感じた。実は私は、ちょっと大胆なところがある。お爺さんの後ろに回ったついでに、興奮しているお爺さんの耳たぶに「ふっ」と息を吹きかけてみました。
するとお爺さんは興奮で立っていられなくなり、ガクンと前に倒れそうになったのです。私はちょっと面白くなってきました。
「いろいろイタズラしちゃおう」
そんな気持ちになって、ワクワクしてきたのです。全裸になったお爺さんを、入り口の段差に気をつけながら、浴室に導き、「先に洗って待っていてくださいね」と言うと、浴室の外へ出て、着ていたキャミソールを脱ぎ、髪の毛をアップにした。
その時チラッと私の顔がドレッサーの鏡に映りました。そしたら自分でも驚きました。だって私その時、楽しそうに笑っていたのです。
「意外と私、こういう仕事が向いているのかも」
そんな風に思ったりしました。私も裸になると浴室に戻りました。そしたらお爺さんが、私が浴室に入るや否や、お爺さんが「ママ―」と叫んで、私の胸に飛び込んできました。そして、私の胸に顔を埋めながら、「ママ―、ボク悪いコなの。叱って、叱って」と言うのです。
何が起きているのか、何をしてあげればいいのか最初は戸惑いました。でも数分経つと、私もだいぶ落ち着いてきて、何をすべきなのか分かってきました。
「聞いたわよ。若い女の子にお金をバラまいて、散々遊んでたんでしょう。悪いおチ○チンね。お仕置きしなくちゃね」
そう言って、男の人のアレを握ろうとすると、「キャーキャー」お爺さんは歓喜の声をあげたのでした。
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