第14話 激減
土曜日のライブがスタート、私は眼を疑った。
先週の物販終わりは、420くらい。
たしか417だったぱたのチェキ残数が
6になっていたからだ。
いつもどおりの場所、スピーカー前にぱたがいた。
いつもと違うのはチェキ残数だけだ。
ぱたのチェキ残数は、他オタ全員のチェキ残数よりも多かった。
それが一気にぶっとんだ。
私のアイドル生命、所有資産。
寿命が先週までの半分以下になったのだ。
私は原因を考えた。
ぱたからの手紙は速攻読んでリプを返している。
『ぱたさんは本当にオタクの鑑。』
『いつも推してくれてありがとう。』
ベタと言えばベタだが嫌われるような内容じゃない。
それとも運営がマッシュDMを蒸し返し
高ファンから卒業、首を切られるのだろうか。
それなら他のオタクも天使になってたりするはず。
チェキはこのグループを卒業したあとで
別のグループやソロアイドル、コンカフェいろんな方法でとれる。
めだったチェキ残数の減少は、ぱただけだった。
しかも騒動後の方が私目当てのファン
ワズカなヒトたちは10人以上増えてきている。
私になにかしら原因があるとは考えられない。
絶対に別に要因があるはずだ。
私は悪くない。
それでも明日いきなりバカみたいにバズって
急遽売れて武道館に立てるわけでもない。
最近言ってる他現場のアイドルに推し変して
ぱたが他界するのだろうか。
だが、まだ慌てる時間じゃない。
ぱたの残チェキが一時的に減っただけで
すぐに戻るかもしれない。
そう考えているうちに物販スタートしていたが
ぱたはすぐ私の列に並んではいなかった。
他の見たこともないようなオタクと話していた。
ぱたは、新規にチェキ券の購入方法を教えていた。
物販待機列の札を頭上にかかげ、並ぶオタクに前を譲っていた。
そんなことしないくていい。
私は、はやくぱたと話がしたかった。
話して自分は悪くないと思いたかった。
チェキ残数。 只野ひこ @hiko1413
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