第11話 女オタ

『ぱたさん、他現場いってるみたいですよ』

最近よく来る女オタのミカンが私に言った。


私より年下でいわゆる地雷系の女オタク。

メン地下とのタイバンで高ファンを知り、女子高時代に憧れたセンパイに私が似ていたらしい。


物販で他オタのチクリは女オタが多い。


男オタはキモい。

女オタはコワい。

オタク界の絶対的真理。

男オタ同士のもめごともあるが、トラブルの起因になりやすいのは、女オタだ。


アイドル側も数少ない同性だということで、ひいきしがちだし、物販中の距離も男性よりす近くなる。


その事がその他大勢の男オタ

、ワズカなヒトたちには悔しくて仕方ない。


中には女オタオタ、お金を払わないと話せないアイドルではなく、身近な若い異性、無料で話せる女オタにべったりの男オタクも居る。


女オタは総じてガチというか

二人だけのセカイを求める。

これは肉体をベースにした

価値観なんだろう。


女性は極端な話、自分の好きランキング現状1位に好かれれば、他の誰に嫌われてもかまわない。全てを敵に回してもいいのだ。

根っからの単推し。

一途が故に病み、それ故、トラブルメーカーになる。



男性は、真逆。

極端な話、自分が好きな相手全員から好かれたい。

根っからのDD体質。

夢はハーレムなのだ。


男は度胸、女は愛嬌。

こんなスローガンがなぜ存在するのか?

それは男性には度胸がないし、女性には愛嬌がないからだ。


皆が持っていないモノを持つ人間はモテる、コレが真理だ。

男性は、1位の女性に好かれるために、全てを敵に回し、オールインできない。

≒他の女性に嫌われる覚悟

≒度胸がないのだ。


逆に女性は、2位以下の男性に対して必要以上好かれようとしない。

これは、興味がない相手をすっぱり断ち切れる度胸があるので切られた男性からすると愛嬌がないってことになるのだ。

女性アイドルは、そうはいかない。

ファンにはすべからく愛嬌を振りまかないといけない、量は相手を見て変動させるけどね。


話をミカンに戻そう。

ミカンはなぜ?ぱたの他現場をチクってきたのだろうか。

最古参のぱたが、彼女と私の2人のセカイには目障りな存在にうつったからだろうか。

ぱたのチェキ残数がここ数ヶ月、大差ないのは、今日もこの眼で見た。

他現場に行こうが、私に使うお金が変わらなければ無問題だ。


私は、ミカンの言葉を『そうなんだー。ぱたも男だし、オタク歴も長いと色々あるだろうしね〜』と軽く流した。



ミカンは、ぱたと違って

一途な自分をもっと優遇してほしかったご様子。


その日のミカンのエアリプは、自分語りの量が普段よりも多かった。

私はこれだけ〇〇してるのに

△△してくれない。


メンヘラかまってちゃん爆誕だ。

ぱたが矢面、ターゲットにされたようだ。ご愁傷様です。


私はオタクが増えれば、アンチも増える。

ある種の勲章と思っていた。

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