第13話 全ては鳴海朋香が悪い

「んんっ……」


「おっ?圭ちゃん起きろ〜?朝だぞ〜?」


「……朝はとっくに過ぎただろ」


「あ、バレた?間もなくお昼だよ〜」


 目を時計に向けると時刻は十二時になろうとしていた。

 何だか頭の中がごちゃごちゃする。

 確か俺は朝リビングに来てから朋香とセックスをして、その後どうしたんだっけ。


「圭ちゃん、状況を理解出来ていないみたいだね」


「全く分からん。お前が今俺を膝枕している、この状況もだ」


「そかそか。でも、私の膝枕気持ちいいでしょ?」


「うん、めっちゃ気持ちいい」


 状況についてはひとまず置いといて、朋香の膝枕は最高だった。

 ダンスで鍛えた引き締まった太もも、見上げると真正面にはDカップの絶景が広がる。

 そして俺の頭を優しく撫でてくれるオプション付きだ。

 俺は朋香からとてつもない母性を感じた。


「圭ちゃんったら、セックスしたらそのまま寝ちゃったんだよ?」


「そうだったのか?セックスした記憶はまあまあ残っているんだけど、どんな感じでやったのかまでは覚えてない」


「凄かったよ!?まさに野獣って感じでさ!私の身体をめちゃくちゃにしたんだから♡」


 朋香は鼻息を荒くしながら頬を赤らめながら言う。


「……マジか。全然記憶に無いんだけど」


「ほんとに覚えてないの?圭ちゃん、私のおっぱいをしゃぶり尽くしたんだからね?すっごく気持ち良かったからいいけどさ♡」


「しゃぶり尽くすって俺は赤ちゃんかよ」

 

「ばぶばぶ?けいちゃん、おっぱい飲みまちゅか?いい子でちゅね〜」


「お前まだおっぱい出ねぇだろ」


「圭ちゃんが子作りする気になってくれたらすぐにでも出るようになるよ?」


「セックスはいくらでもしてやるが、子作りはまだしてやらん」


「え〜!私はいつでも中出し上等だよ!?」


「いや、何でそこで喧嘩腰……?」


「だって中に出されるんだからそれくらい身構えないと!」


「ただ出すだけだろ」


「圭ちゃんのち〇こから溢れ出てくる熱くて濃厚な白い液体を私のお〇――」


「はいはいはい!ストップストップ!」


 少しはオブラートに言っているつもりなんだろうが、これ以上は聞くに堪えない。

 朋香からこんな言葉を聞く日が来るとは思わなかった。

 実際に聞くと背筋が寒くなることが分かったので続きはエロゲーの世界で堪能しよう。


「せっかく私が勉強したエロい台詞をお披露目しようと思ったのに!なんで止めるのさ!」


「……お前のアイドルとしての威厳を守るためだ」


「もう威厳とか要らないし!今は好きなだけ下ネタ言っても誰も怒らないもん!」


 その言い方だと最初の方は怒られていたんだな。


「だからってさっきのは無しだ!テレビの放送中に言ったら即CM入るぞ!?」


「ち〇ことま〇こ程度でCMが入るわけ……」


「入るだろ!アイドルがそんな発言した時点でオワコンだ!」


「別に良いじゃん!私、本当は変態アイドルの路線で行きたかったんだよ?でもマネージャーが死んでもダメだって……」


 どう考えても無理に決まっているだろ。

 お前みたいにルックスが良くて歌が上手いやつに「変態」というワードがおまけで付いてきただけで事務所は大迷惑だ。


「まあ、でも良いんじゃないのか?さっき、お前が言った通りで今は下ネタ言っても怒るやつはいないしさ」


 落ち込む朋香に対して俺は慰めの言葉をかける。


「そうだよね!圭ちゃんになら下ネタいくら言っても良いもんね!ち〇こでもま〇こでもセックスでも何でも言っていいよね!」


「んん、ああ、そうだな……」


 誰もそこまで許した覚えはない。

 朋香の機嫌を損ねないためにも俺はあえてそう答えた。


「それでね!ここで圭ちゃんにひとつご報告がございます!」


「改まって急にどうしたんだ」


 まさかとは思うが、コンドーム付けないでセックスしたとかじゃないよな。

 俺は記憶が無いから知っているのは朋香だけだ。


「実は圭ちゃんは私の術中にハマりました」


「……なにそれ?」


 朋香の言っている意味が分からず、俺は首を傾げる。


「圭ちゃんは昨夜に私とセックスをしました。それはもちろん覚えているね?」


「当たり前だろ」

 

 俺が童貞を失った日。

 そして大好きな朋香との初めての夜を忘れるはずがない。


「その時点で、なんと!圭ちゃんは私の身体の虜になってしまったのですよ♡」


「……ごめん、さっぱり分からん」


 話が更にややこしくなってきた。

 どうやったら俺がお前の虜になるんだよ。

 大好きなのは事実だけども。


「圭ちゃんは今日の朝、セックスした記憶ほとんど無いでしょ?それはね、実は私の身体に夢中になり過ぎたせいなんだよ」


「ちょっと待てよ!そんなことあるはずが……」


 俺は一瞬だが、朝の記憶を思い出す。

 それは朋香に胸を押し付けられた時の記憶だ。

 その後に俺は我を失ったように朋香の胸に飛び付いている。


「あれ?もしかして圭ちゃん思い出した?」


「……少しだけな」


「あらら、どの辺りまで?」


「おっぱいに飛び付いた辺りまで」


「そこまで覚え出せたなら十分だよ」


「おい朋香、勿体ぶってないで早く説明してくれ。俺が朝一番にお前にキスしたのにも関係があるんだろ?」


「簡潔に言うとね。圭ちゃんはもう私の身体無しでは生きていけないの。私の唇からおっぱいまで至るところ全部、定期的に触らないと圭ちゃんの精神は壊れていくの」


「……どういうことだ。お前は俺に一体何をしたんだ」


 俺の精神が壊れる。普通なら考えられないことだ。

 俺はただ朋香とセックスをしただけだぞ。


「私は何もしていないの。セックスをして虜になったってさっき言ったでしょ?」


「言ったな。それがどうした?」


「私の体質というか、身体自体が特質でね。常人よりもフェロモンが異常に漏れるらしいの。それでセックスして私の身体に触れた相手は私無しでは生きていけない身体になっちゃうみたい」


 朋香の言っていることはにわかには信じがたい話だった。

 しかし、俺が実際にそういう体験をしてしまっている以上は疑う余地がない。


「じゃあ、他の人にヤろうって言われても断り続けてたのって……」


「そうだよ?圭ちゃん以外の人にはなって欲しくなくて断ってたの」


「そうだったのか。それなら、なんで最初にそう言ってくれなかったんだ?」


「隠してた方が圭ちゃん後々驚くと思ってさ♡」


 朋香は手で口元を隠して必死に笑いを堪えていた。

 俺にとっては笑いごとの話ではない。


「驚くとかのレベルじゃないだろ!俺の身体これからどうなるんだよ!」


「大丈夫だってば。頻繁に私とセックスしたり、おっぱい触ったりしてエッチなことすれば良いだけだから」


「……じゃあ俺はまんまとお前の作戦に引っかかったって言うのか?」


「正解でーす♡」


 朋香は満面の笑みで答える。

 ムカついた俺は朋香の額に渾身の頭突きをした。


「うぎゃぁぁぁぁぁ!圭ちゃん痛い!脳がぁぁぁぁぁ!脳がぁぁぁぁぁ!」


「ふざけんなよ!朋香!俺の正常な身体を返せよ!」

 

 俺は痛がっている朋香の両肩を掴んで身体を激しく左右に揺らす。


「そんなの無理だよ〜!そもそも、最終的にセックスに踏み切ったのは圭ちゃんでしょ!私は悪くないもーん!」


「そうやって言い逃れするつもりか!お前が最初から自分の体質を言っていれば良かった話だろ!?」


「いやいや、圭ちゃん。最初から言っていてもさ。どうせ、私とセックスするつもりだったんたから意味無いでしょ?」


「先に言ってくれれば、ある程度は心構え出来るだろ!」


「心構えでどうにか出来るもんじゃないよ?」


 そう言って朋香は胸を俺の顔に近づけた。


「んんっ……くっ……あっ……」


 やはり俺の身体はおかしくなっている。

 以前は近づいてくるだけでも何も感じなかった。

 だが、今は無性に触りたくて興奮が止まらない。


「どう?これだけでもう我慢出来ないでしょ?ほらほら〜、触りたいなら触りなよ〜」


 朋香は胸を揺らして誘ってくる。

 ゆらゆらと揺れる胸に俺は釘付けになってしまう。


「あぁぁぁぁぁ!もう無理だぁぁぁぁぁ!」


 膝の上から飛び起きた俺は再び朋香の胸に飛び付いた。

 朋香は「ひゃんっ……」と甘い声を出す。


「なーんだ。やっぱり我慢出来ないんじゃーん♡」


「全部!お前のせいだからな!」


「てへっ♡。ごめんちゃい」


 俺はこうして朋香の胸を揉んで舐めてを満足するまで繰り返し行った。

 俺の正常な身体と性欲は朋香に完全に奪われてしまったようだ。


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 ふと思ったんですけど、エロ要素ってどこまで書いて良いと思います?

 自分の作品って書きすぎですかね?

 ご意見、コメントにてお待ちしております。

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