第43話 その通りだ
ん? 何だ?
俺はほっぺたに何か当たって目が覚めた。
すると美佳が俺のほっぺたを指でツンツンしていた。
「何やってんだ?」
「あっ! 起きた」
「そりゃ起きるだろ」
「いや〜、涼太の寝顔が可愛いくてついツンツンしたくなってな」
それなら仕方ない……のか?
「お兄ちゃんの寝顔可愛いよね〜♪」
舞も起きていたみたいで会話に入ってきた。
「舞も起きてたんだな? ってか寝顔が可愛いと言われても自分じゃ分からん」
「今度、写メ撮っててあげようか?」
「……いや、いい」
自分の寝顔なんて見たくもない。
「しかし、涼太と寝ると寝心地良かったな。寝顔も可愛かったし、おはようのチューでもしてやろうか?」
何故そうなる?
「美佳、ダメだよ!」
そうだ。舞、言ってやれ。
「まだ私もしてもらった事ないんだから」
違う! そうじゃない! ってか、してもらうって何だ?
「おいおい、涼太の方からしてくれるはずないだろ? 度胸なさそうだし」
それに関しては悔しいがその通りだ。
「大丈夫。お兄ちゃんなら出来るよ」
なんの根拠があっての事だ? そもそも度胸があったとしてもやらないぞ?
「仕方ない。涼太に度胸つくまで待ってやるか」
……待たなくていいよ。 というよりお前等は俺とチューしたいのか?
全く何を考えてるのか分からん。
朝っぱらから騒がしくなったがその中でも莉子はスヤスヤと眠っている。
よく起きないでいられるな。
しかし美佳は部活もあるためそんなにゆっくりはしてられないので莉子を起こしてみんなで朝ご飯を食べた。
朝ご飯を食べ終わり美佳は部活に向かう時間になった。
「いや〜寝心地よかったしまた今度、泊まりにくるよ」
「俺はみんなの抱き枕になってないか?」
「役得だろ? あっ! そうそう、今度部活が休みの時は私とデートな?」
「なんでそうなる?」
「だって私だけデートしてもらってないじゃん」
ふむ、確かにそうなるか?
「まぁそれなら俺は構わないが、先に言っておくがトレーニングジムとかならお断りだぞ?」
「えー! 何でよ? 一緒に身体鍛えようぜ?」
やはりそのつもりだったか……
「それ以外なら付き合ってやる」
「全く、涼太もなかなか頑固だな」
正直な所、美佳の体力についていけるはずがない。そんな所に付き合わされたら俺はきっと倒れてしまう。
「じゃあ今日は私達でデートの行き先考えておくね♪」
「おっ! よろしく頼むよ。じゃあ私は部活に行くね」
美佳はそう言い残して部活へと向かった。
残った俺達は舞の提案でデートの行き先を決める事になったがまともな所は出てくるのだろうか?
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