第42話 止めてくれ
美佳も泊まり来て賑やかに夕飯を食べて俺は風呂に入った。
俺が風呂から上がると舞達は3人でお風呂に入っていった。
本当に3人は仲がいいな。
俺もようやくこの学校での生活に慣れてきたと思う。それはこいつ等のおかけだろう。もしいなかったら俺は周りに馴染めず1人だっただろう。
まあ、何を考えてるのか分からないし退屈はしないんだけど……凄く疲れる。前の俺からしたら贅沢な悩みだ。
なにしろこんなに女の子に囲まれる事など一切なかったからだ。
それを考えると今の生活も悪くない。それに俺は賑やかなのも嫌いではないみたいだ。
そんな事を考えていると舞達がお風呂から上がってきた。
当然のように俺の部屋に集まってくるが、まぁそれはもう慣れた。
「涼太、待たせたな」
「特に待ってないけどな。それでこの後どうするんだ?」
「私は明日の朝から部活だからそんなに遅くまでは起きてられないな」
「まぁそうだろうな。舞と莉子は大丈夫だろうけど」
泊まりに来たとはいえ目的が俺と一緒に寝る事だ。遊ぶ事は何も考えてなかったんだろうな。
「私と莉子は美佳に合わせるよ」
「うん。でも今日は美佳が涼太の隣りで寝るわけだけど、もう1人、私と舞どっちが一緒に寝る?」
どっちも寝ないという選択肢はないのね。わざわざ3人で狭い中寝なくてもいいだろうに。というか舞はいつも忍びこんでくるんだし今日は莉子に譲ってもいいんじゃないか?
「じゃあ私と莉子で何か勝負して決めようよ」
どうやら譲る気はないみたいだ。
やれやれ、甘えん坊の義妹を持つと大変だ。
「じゃあ私と涼太は暇だから野球拳でもするか?」
「やらねぇーよ!」
美佳は本当は脱ぎたがりなんじゃないのか?
「えー? じゃあバスケ部のマネージャーやってくれよ?」
だから何故そうなる? いつも関係のないとこで勧誘してくるな!
「よし、野球拳やるか」
「いや〜ん、涼太のえっち♡」
「マネージャーやりたくないからだよ! ってかやろうと言い出したのは美佳だぞ?」
「よし、じゃあ今日も涼太に鼻血出させてやるか」
その言い方止めてくれ。ってかその言い方だと負ける気満々だぞ?
まぁ本当に美佳と野球拳をする事になったのだが結果は美佳の負けで下着姿の美佳を見て、結局俺はまた鼻血を出してしまった。
俺はティッシュを鼻に詰めてベッドに横になった。
一方で舞と莉子はスゴロクをしている。先にゴールした方の勝ちみたいなのだがスタートに戻るマスがかなりある。かなり意地悪なスゴロクだ。
それ、寝るまでに決着つくのだろうか?
美佳は1人で暇になったからと筋トレを開始した。暇さえあれば身体を鍛えている。
鼻血も止まった頃、舞と莉子の決着はついた。莉子の勝ちだ。
つまり今日、俺は美佳と莉子と寝る事になった。舞は残念そうに布団一式を持って来て床に敷いた。
「じゃあ今日はもう寝るか?」
時間も寝るにはちょうどいい時間になっていたので反対する意見はなかった。
そして莉子がまた先にベッドに横になり俺が中央で仰向けになってから美佳がベッドに入ってきた。
そして2人は俺の両腕に抱きついてきた。
「おぉ、これは思っていたより良いな」
「くせになるよね」
そうなのか? 俺にはよく分からん。
「2人共いいなぁ〜」
舞が残念そうに俺達を見ている。
「まぁまぁ、たまには私達に譲ってくれてもいいだろ?」
「そうそう」
2人はなんだか満足そうだ。
「次は負けないからね。じゃあ電気消すよ?」
「おやすみなさい」×4
そうして今日は美佳と莉子に挟まれて眠りへと落ちた。
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