第41話 のんびりしたい
「3人共おっはよー」
朝になり、美佳が部屋に入ってきた。俺達は美佳の声にびっくりして飛び起きた。
「うおっ、美佳? どうしたんだ?」
「ん? 部活前に様子見に来たんだよ。しかし涼太は相変わらずいい生活送ってんな」
「何がだ?」
「だって女の子2人に囲まれて寝てるじゃん」
……まぁ、確かに否定はできないな。
「しかし、涼太の隣ってそんなに寝心地いいのか?」
「お兄ちゃん、抱き枕より快適だよ」
「うん、悪くなかった」
美佳の質問に舞と莉子が答えた。
「へー、じゃあ私も今日泊まりに来てもいい? 私も涼太と寝てみたいから」
何故そうなるんだろう?
「明日も部活なんじゃないのか?」
「そうだけど、寝に来るだけだよ」
「わざわざ来る事か?」
「なんだよー、私とは寝れないって言うのか?」
「いや、そうは言ってないが……」
「なら、今日部活終わってから泊まりにくるからな? サービスに涼太の好きそうな下着付けてやるからな」
「……もう、好きにしてくれ」
俺は抵抗を諦めた。朝から疲れたく無いからだ。
「じゃあ私も今日も泊まってもいい?」
莉子までまた泊まる気だ。
「多分うちは大丈夫だとは思うぞ? 賑やかな方が好きみたいだから」
「よかった。念の為にもう一着着替え持ってきてて」
……初めからそのつもりだったのでは?
「わー♪ 今日も賑やかになりそうだね♪」
舞は喜んでいるが正直俺はのんびりしたいよ。
「あっ! そうそう、来るついでに沙耶香さんとこのカレーパン買ってきてやったぞ」
よくやった、美佳。褒めてやろう。
「あっ! じゃあまた沙耶香さんも泊まりに誘ってみる?」
「実は朝、沙耶香さんに会ったから泊まりに誘ってみたけど明日は用事があるたいで今回は遠慮しとくって」
美佳も初めから泊まりに来る気満々だった。着替えもしっかりと準備してるらしい。きっと昨日誘われなかったのが寂しかったんだろうな。
「そっか〜、それは残念だね」
舞は残念そうだ。まぁまた今度誘ってみればいいさ。
「それはそうと3人は今日何して過ごすんだ? 暇ならマネージャーやらない?」
「それはお断りだ!」
美佳は隙あればマネージャーに誘ってくる。何度断ってもだ。その根性だけは認めてやる。絶対やらないがな。
そして美佳は部活があるからまた来る時連絡すると言って部活に行ってしまった。
「俺達は何して過ごす? 俺としてはのんびりしたい気分なんだけど」
「じゃあ何かDVDとか借りに行ってゴロゴロしながら観ようよ」
「それいいな。莉子もそれでいいか?」
「うん、私観たいのある」
「何だ?」
それは前カラオケ屋で莉子が主題歌を歌っていたアニメの映画版だ。映画を観に行こうと思ってたけど期間を間違えてて見逃したやつで俺も観たかったやつだ。
早速俺達はレンタルショップへ行った。その作品は一本だけ残ってて借りる事が出来た。他に何本か借りて美佳が来る夕方までのんびりと過ごした。
夕方になり、美佳が部活終わったから今から行くと連絡があった。
今日の夜も騒がしくなるのか、おとなしく寝てくれるのかどっちだろうな。
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