第40話 嘘つくな

 莉子が泊まりにきて夕食もうちで食べると言う事もあり母親と舞が夕食の準備をしているのだがそこに莉子も手伝うと言い出して3人で夕食を作っている。


 いつもは舞と母親だけなのだがそこにもう1人入ったら邪魔にならないか? とも思ったのだが莉子は身体が小さいので邪魔にはならなかった。


 俺はというとコーヒーでも飲みながらその様子を見てる。そしてハンバーグの焼けるいい匂いがしてきた。

 それだけでもうお腹が空いてきた。


 お義父さんも帰ってきてみんなで夕食を食べ、その後俺はお風呂に入った。その後に舞と莉子が一緒にお風呂に入った。


 舞と莉子がお風呂から上がりまた俺の部屋に集まっている。


「今日は3人だし何する?」


「今日見たいテレビがあったんだけど見てもいい?」


「莉子は何が見たいんだ?」


 俺はテレビの電源をつけながら聞いた。


「お笑い番組」


 あー、そういえばお笑い好きなんだっけ?


 3人でテレビを見る事になったのだが莉子はまた俺の膝に座ってきた。

 それを見た舞が『いいな〜』って言って舞も膝の上に座ってきた。

 俺はあぐらをかいて座っていてその左膝に莉子、右膝に舞が座っている。

 物凄く邪魔なんだが俺の意見は通らない。そのままテレビを見る事になった。


 お笑い番組は面白いのだが俺の足が痺れてきた。流石に2人も俺の上からどいてくれたが足をツンツンしてこようとしてくる。本当に止めてくれ。


 莉子のスマホから着信音が鳴り出した。おそらく美佳だろう。


 やはり美佳からみたいで莉子は電話に出た。

 しかし今回は莉子のセンサーに反応しなかったな。まぁどうなってるか分からないが100%反応してたらそれはもう凄いというレベルではない。


「もしもし、どうしたの?」


「いや〜涼太に電話掛けたら掛からなくて莉子に掛けたんだよ」


「そっか。涼太に代わろうか?」


「えっ? 涼太そこにいるの?」


「うん、今日また泊まりに来たから」


「えー! 私だけ仲間外れじゃん」


「美佳は部活で忙しいでしょ?」


「まぁそうなんだけどさー、誘ってくれてもよかったじゃん?」


「ごめん。急に決まった事だから。涼太が泊まりに来てほしいって」


 おい、さらっと嘘つくな。


「なんだよー、それなら仕方ないか。また明日にでも報告してもらうぞ?」


「でしょ? 分かった。でも報告する事なんて無いと思うよ?」


「まぁまぁ、楽しみにしてるからな」


 そして美佳との電話が終わったみたいだ。


「おい、莉子さらっと嘘ついたよな?」


「何の事?」


「俺が泊まりに来て欲しいって言ってだろ?」


「まぁまぁ、気にしないで」


 気にするだろ! 莉子が一緒に寝たいから泊まりに来てるのにそれじゃあ俺が莉子と一緒に寝たいって事になってしまうだろ!



 そしてその後も3人でテレビを見て笑ったりしてのんびり過ごした。


 時刻は0時を過ぎた頃だ。


「そろそろ寝るか?」


「うん、そうだね」


 そう言って莉子は俺のベッドに横になった。

 俺もベッドに横になった。

 そして舞もベッドに入ってきて横になる。

 自然と3人で寝る事になってる。というか舞はあれから毎日俺のベッドに忍びこんでくるようになってたが今日は莉子もいるので堂々と入ってくる。


「ってか当たり前のように3人で寝るんだな?」


「お兄ちゃん嬉しいくせに〜♪」


 まぁ悪くはない。それに沙耶香の時とは違って莉子の身体が小さいので3人でも余裕があるような気がする。


 そして莉子と舞は俺の腕に抱きついてきた。甘えん坊の妹が増えた感じだ。


 そして電気を消して眠りへとついた。

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