第30話 暇だけど?
土日休みが終わり月曜になってまた学校が始まったのだがどうやら今日の朝は全校放送があるみたいだ。
全校生徒が集まる場所がないので教室で放送を聞くらしい。
そんなに生徒がいるのか? ますます知りたくなってきた。
そして全校放送が始まった。
『えー本日は校長先生が不在の為、私教頭が進行係をさせて頂きます』
……やっぱり校長来てないのか。まだあのイベントやってるんだろうな。
しかしいつもは校長が進行係していたの? そういうのは他の教師がやって校長は長い話をする役じゃないの?
『まずは録音した校長先生の話を聞いて貰います』
おっ! ちゃんとやる事はやってたんだな。
『全校生徒のみんな、おはよう。今週も元気に勉学に励んでくれたまえ』
『えー以上です』
短っ! 何それ? なんの話もなかったぞ? そんなんわざわざ録音して流さなくてよくない?
その後、教頭の話が30分ぐらいあった。こっちはなげぇーよ。
そして全校放送が長引いた為1限目の授業時間が短くなったので自習となった。
お昼も先週と変わらず沙耶香と合流し学食で食べた。
この学校にも少しは慣れたのか先週よりかは楽になってきた。
楽になったとはいえ周りのぶっ飛んだ人達に翻弄されながらも変わらない日々を過ごし、数日たった木曜日の1限後だった。沙耶香が慌てた様子で俺達のクラスへとやってきた。
「みんな、聞いてくれ。私にもクラスの友達が出来たんだ」
「おぉ! 沙耶香、よかったじゃないか! 自分から話かけれたのか?」
「いや、私からは話かけれなかったんだが学食で涼太達とご飯を食べてる姿を見てくれてて向こうから話かけてくれてな」
「そうか、じゃあ作戦は成功したわけだな」
報告に来た沙耶香は本当に嬉しそうだった。舞達も一緒に喜んでいる。
なんでも怖いという誤解もなくなり本当は可愛らしい乙女だと分かりクラスのみんなに話かけられてるみたいだ。どうやらクラスの人気者になったみたいだな。
「じゃあ今日から昼はクラスの友達と食べるのか?」
「それなんだがどうしたらいいだろうか? 涼太達と約束してるわけだし」
「俺達の事は気にしなくていいよ。せっかく友達が出来たんだ。一緒に食べた方がもっと仲良くなれるだろ? まぁたまには俺達とも一緒に食べようぜ?」
「そうか、ありがとう。じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらうよ。それと涼太は今日の放課後は暇か?」
「ん? 特に用事はないし暇だけど?」
「なら涼太には世話になったからお礼がしたいんだが、私と一緒に何処か行かないか?」
なんと! 沙耶香からデートのお誘いだ。
「じゃあお兄ちゃん今日は沙耶香さんとデートなんだね♪」
「でっ、でーと……」
本人にはその自覚がなかったのだろう。舞のデートという言葉に沙耶香は顔が真っ赤になってしまった。
「いや、舞達にも世話になったんだしみんなで行くだろう?」
沙耶香は急に恥ずかしくなったのか3人も誘ったのだが美佳と莉子は部活、舞は用事があるからと断ってしまった。……舞は絶対嘘だろう。
沙耶香が他の日にしようと提案したのだが舞達に押し切られ結局放課後に2人で出掛ける事になった。
沙耶香は顔を真っ赤にしたまま自分の教室へと戻っていった。
「いや〜涼太達のデート見たいな。部活サボって後をつけるか?」
「ダメだよ、美佳。邪魔をしないの」
やはりなんか気を使われてたみたいだ。
「お兄ちゃん、デートなんだからちゃんと手を繋ぐんだよ?」
「そんな事したら沙耶香は変に意識してしまって固まって動けなくなるぞ?」
「あっ! それもそうだね。じゃあお兄ちゃん、沙耶香さんとのデートの報告楽しみにしてるね♪」
舞だけではなく美佳と莉子もワクワクしてるみたいだ。こいつ等、他人事だと本当楽しそうだな。
そして放課後になり俺はデートの為沙耶香が来るのを教室で待った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます